「今から始めて、廃止前に間に合うのか」——AWS ANS勉強法を考えるとき、まず浮かぶ疑問です。英語版の認定ページと日本語版の資格一覧では、最終受験日は2026年12月31日。不合格後の14日間の待機から逆算すると、初回受験の最遅目安は12月17日で、2026年10月6日から約10週です。
10週で4分野を仕上げるには、比重の大きい分野と、他の分野の前提になる分野を優先して進めるのが現実的です。この記事では、12月17日から逆算した10週の計画、最初に固めるべきBGPとDirect Connectの要点、ハイブリッドDNSの押さえ方、そして途中で挫折しやすい3つのパターンを示します。
12月17日から逆算する10週の計画
ANS-C01の採点対象コンテンツの分野別比重は、ネットワーク設計30%、ネットワーク実装26%、ネットワークのセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス24%、ネットワークの管理と運用20%です。ただし分野ごとに順に進めるより、テーマで束ねたほうが効率的です。設計・実装・運用の3分野に共通して出てくるハイブリッド接続から始めます。
| 期間 | テーマ | やること |
|---|---|---|
| 第1〜3週(10/6〜10/26) | ハイブリッド接続とBGP | Direct Connect(専用接続、仮想インターフェイス、LAG、Direct Connectゲートウェイ)、Site-to-Site VPN、BGPによる経路制御 |
| 第4〜5週(10/27〜11/9) | VPC間接続とDNS | Transit Gateway、VPCピアリング、PrivateLink、IPアドレスの重複への対処、Route 53 Resolverと条件付き転送 |
| 第6〜7週(11/10〜11/23) | セキュリティと監視 | Network Firewall、Gateway Load Balancer、WAF・Shield、VPCフローログ、トラフィックミラーリング、Reachability Analyzer |
| 第8週(11/24〜11/30) | 自動化と最適化 | CloudFormationによる構成の自動化、ロードバランサーの選択、ENA・EFA、ジャンボフレーム |
| 第9〜10週(12/1〜12/14) | 通し演習 | 65問・170分の通し演習を2回、弱点の補強 |
| 予備日(12/15〜12/17) | 初回受験 | 遅くとも12月17日までに初回受験。結果の確定や予約枠を考えると、さらに早いほうが安全 |
この計画は、試験ガイドの比重をもとにしたSkillStack編集部のモデルプランで、ネットワークの実務経験があり、週に10時間以上を確保できる人を想定しています。AWSは必要な学習時間を公表していません。受験の前に、ピアソンVUEの予約画面で12月の日程を実際に選べるかを確かめておいてください。日本語版の個別の認定ページは最終受験日を8月25日と表記したままで、公式の中で表記が分かれています。予約画面で確かめ、不明な点はAWS認定のサポートに問い合わせてください。試験の仕様と廃止の状況は、AWS ANSとは|難易度・出題範囲と廃止前の受け方で確認できます。
期限が決まっている勉強ほど、進み具合の把握が後回しになりがちです。第5週の時点で、最初に学んだBGPの問題を何割取れるかを確かめていないと、第9週の通し演習で初めて穴に気づくことになります。
最初の3週はBGPとDirect Connectに集中する
ANSで重要な学習項目の1つが、オンプレミスとの接続です。試験ガイドは、BGPの属性を使ってトラフィックの流れを制御すること(負荷分散やアクティブ/パッシブ構成)を、設計分野のスキルとして明記しています。最初の3週は、ここに集中します。
VPCがどの経路を選ぶかを説明できるようにする
同じ宛先への経路が複数あるとき、VPCのルートテーブルがどれを選ぶかは、AWSのドキュメントで優先順位が決まっています。まず最も長く一致するプレフィックスが優先され、宛先が同じなら次の順になります。
| 優先順位 | 経路の種類 |
|---|---|
| 1 | 静的ルート(インターネットゲートウェイ、Transit Gateway、VPCピアリングなど) |
| 2 | プレフィックスリストを参照するルート |
| 3 | 伝播したルートのうち、Direct ConnectのBGPルート |
| 4 | 伝播したルートのうち、Site-to-Site VPNの静的ルート |
| 5 | 伝播したルートのうち、Site-to-Site VPNのBGPルート |
この順位を覚えたうえで、「Direct Connectを主、VPNを予備にしたい」「2本のDirect Connectのうち片方を優先したい」といった要件に対し、どの手段で経路を制御するかを説明できるようにします。たとえばAWSからオンプレミスへの通信で、プライベートVIFまたはトランジットVIFを2本使ってアクティブ/パッシブにしたいなら、Direct Connectのローカルプリファレンス用のBGPコミュニティ(7224:7100が低、7224:7200が中、7224:7300が高)を使います。AWSのドキュメントでは、このタグはAS_PATHより先に評価されると説明されています。オンプレミスからAWSへの方向と、AWSからオンプレミスへの方向で、使える手段が違う点に注意してください。
Direct Connectは物理層から押さえる
試験ガイドは、Direct Connectについて、VLAN、LAG、光ファイバの規格、ジャンボフレーム、接続を申し込むときのLOA(Letter of Authorization)まで挙げています。ANSでは物理層も試験範囲に含まれます。専用接続とホスト接続(Hosted Connection)の違い、プライベート・パブリック・トランジットの3種類の仮想インターフェイスの使い分けを、構成図を描きながら整理してください。
第4〜5週はVPC間接続とハイブリッドDNS
複数のVPCをつなぐ方法は、VPCピアリング、Transit Gateway、PrivateLinkの3つが軸です。ANSでは、それぞれを選ぶ理由まで問われます。たとえばIPアドレスが重複したVPCどうしでも、PrivateLinkなら特定のサービスだけを公開できます。試験ガイドも、IPアドレスの重複をNAT、PrivateLink、Transit Gatewayのルーティングで管理するスキルを明記しています。
DNSは、オンプレミスとAWSの名前解決をどうつなぐかが中心です。オンプレミスからAWSのプライベートホストゾーンを引くならインバウンドエンドポイント、AWSからオンプレミスのドメインを引くならアウトバウンドエンドポイントと転送ルール。この向きの区別を、図にして説明できるまで練習してください。複数アカウントでDNSを共有する場合は、AWS RAMで転送ルールを共有する構成も出てきます。
ANS対策でつまずく3つのパターン
この学習計画で特に注意したい3つのパターンを挙げます。期限がある以上、事前に避けておきたいものばかりです。
パターン1:AWSのサービス名から覚え始める
ANSの問題は、ルーティングやDNSのプロトコルの理解を前提にしています。BGPやVLANの基礎が曖昧なまま、Transit Gatewayの機能を覚えても、選択肢の違いを判断できません。ネットワークの基礎に不安があるなら、第1週の前半をプロトコルの復習に充ててください。
パターン2:構成図を描かずに問題を解く
複数のVPC、アカウント、オンプレミス拠点が登場するシナリオ問題を頭の中だけで追うと、どこからどこへの通信の話なのかを見失います。演習の段階から、問題文を読んだらまず簡単な構成図を描く習慣をつけてください。本番で書き込みに使えるものは受験方法によって異なるので、事前にピアソンVUEの案内で確認しておいてください。
パターン3:通し演習を1回もせずに受験日を迎える
期限に追われると、分野別の勉強だけで本番に進みがちです。170分・65問を通しで解く経験がないと、長い問題文で時間配分が崩れます。第9週と第10週に1回ずつ通し演習を置き、1回目で見つかった弱い分野を2回目までに補強してください。
よくある質問
ANSの勉強時間はどれくらい必要ですか
AWSは必要な学習時間を公表していません。試験ガイドが想定するのは、ネットワーク経験5年以上、うちクラウドとハイブリッドのネットワーク経験2年以上の人で、経験の有無で必要な時間は大きく変わります。最初の週に問題を20問ほど解き、分野ごとの正答率を見たうえで、10週で間に合うかを判断してください。
ハンズオンは必要ですか
Direct Connectは個人で試すのが難しいため、構成図とドキュメントで理解するのが現実的です。一方、Transit GatewayやRoute 53 Resolverは検証用アカウントで触れます。ただしTransit Gatewayのアタッチメントやエンドポイントは時間単位で料金がかかるので、作ったリソースはその日のうちに削除してください。
廃止に間に合わなかった場合、学んだことは無駄になりますか
他の認定に生かせる範囲があります。ハイブリッド接続やVPC間接続はSAPの出題範囲にも含まれ、ネットワークのセキュリティ制御はSCSのインフラストラクチャのセキュリティ分野で問われます。ANSに向けて固めた知識は、そのまま次の認定の土台になります。
SCSとANSを並行して勉強するのは効率的ですか
重なる範囲はあります。WAF・Shield・Network Firewall、VPCフローログ、転送時の暗号化は両方に出ます。ただしANSは年内に廃止される予定なので、期限のあるANSを先に仕上げ、受験後にSCSへ進むほうが計画を立てやすくなります。
まとめ
AWS ANSの勉強法は、残り時間との勝負です。12月17日を初回受験の目安に置き、最初の3週でBGPとDirect Connectを固め、VPC間接続とDNS、セキュリティと監視へと進みます。最後の2週は通し演習に充てます。まずはピアソンVUEで予約できる日程を確かめてください。10週で4分野を回すと、序盤に学んだBGPの細部が抜けていくのは避けにくいものです。SkillStackでは間違えた問題や定着しきっていない問題が間隔をあけて自動で出題し直されるので、DNSやセキュリティを学んでいる間も、第1週に落としたルーティングの問題に戻れます。
参考サイト
- AWS Certified Advanced Networking - Specialty (ANS-C01) 試験ガイド(AWS公式・取得日: 2026年10月6日)
- AWS Certified Advanced Networking - Specialty(AWS公式・英語版・取得日: 2026年10月6日)
- Route priority(Amazon VPC公式ドキュメント・取得日: 2026年10月6日)
- Direct Connect routing and BGP(AWS公式ドキュメント・取得日: 2026年10月6日)
- What is Route 53 Resolver?(AWS公式ドキュメント・取得日: 2026年10月6日)
- Managing forwarding rules(Route 53 Resolver公式ドキュメント・取得日: 2026年10月6日)
- AWS Certified Security - Specialty (SCS-C03) 試験ガイド(AWS公式・取得日: 2026年10月6日)
- AWS認定 受験後のポリシー(AWS公式・取得日: 2026年10月6日)

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