AWS認定資格は現在12種類——「多すぎて選べない」というのが、一覧を初めて見た人の正直な感想ではないでしょうか。しかも2025年から2026年にかけて廃止・新設が相次いでおり、1年前の情報を頼りに選ぶと、終了間近の試験を目指してしまうリスクすらあります。
そこでこの記事では、2026年4月時点で受験できる12種類を、難易度・受験料・想定年収・取得順番の4つの軸で整理しました。週に確保できる学習時間から合格時期を逆算する早見表と、学習が止まりやすい失敗パターンの立て直し方も用意しています。
読み終える頃には、「自分が最初に受ける1枚」と「その次に狙う資格」を、職種と経験年数に照らして決められるはずです。未経験からの王道ルートも、開発者・非エンジニア向けの分岐も、この1本で判断材料が揃います。
AWS認定資格とは|4つのレベルで構成される12種類の全体像
AWS認定資格は、Amazon Web Services社が公式に提供するクラウドスキルの認定プログラムで、Foundational・Associate・Professional・Specialtyの4レベル・全12種類で構成されています。世界共通の基準でAWSの専門知識を証明できるため、クラウドエンジニア・インフラエンジニア・開発者がスキルを客観的に示す手段として広く使われています。
2026年4月時点の内訳は次のとおりです。AI/機械学習領域では2024年以降に大きな再編が進んでおり、新設・廃止の動きが続いている点には留意してください。
| レベル | 位置づけ | 資格数 | 想定経験 |
|---|---|---|---|
| Foundational(基礎) | クラウドの全体像を把握する入門レベル | 2種類 | 実務未経験〜6ヶ月 |
| Associate(中級) | 設計・開発・運用の基本スキルを証明 | 5種類 | AWS実務1年程度 |
| Professional(上級) | 複雑な要件の設計・自動化を担う高度資格 | 3種類 | AWS実務2年以上 |
| Specialty(専門) | ネットワーク・セキュリティ等の専門分野 | 2種類 | 専門分野での経験5年程度 |
各認定の有効期間は3年で、期限内に同試験の最新版へ再合格するか、上位資格に合格すれば自動的に再認定される仕組みです(詳しい更新手順はAWS認定の有効期限と再認定で解説しています)。「次のステップを目指して学習しているうちに自然に更新される」設計のため、継続学習と相性がよい制度です。ただし、レベルの区分を知っただけでは「自分の職種にどれが必要か」までは決められません。次章で12種類を1枚ずつ見比べていきます。
AWS認定資格12種類を一覧比較|受験料・試験時間・難易度
受験料の基本は、Foundational 100USD・Associate 150USD・Professional/Specialty 300USDの3段階です。日本ではFoundational 15,000円・Associate 20,000円・Professional/Specialty 40,000円(いずれも税別)の日本円建て公式価格が設定されています。ここからは2026年4月時点で受験可能な12種類を、レベル別に整理して紹介します。
Foundationalレベル(2種類)|入門〜非エンジニア向け
クラウドやAIの基礎知識を体系的に学べる入門レベルです。エンジニアに限らず、IT営業・プロジェクトマネージャー・ビジネス職にも適しています。
| 資格名 | 試験コード | 受験料(目安) | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| AWS Certified Cloud Practitioner | CLF-C02 | 100USD | 90分 |
| AWS Certified AI Practitioner | AIF-C01 | 100USD | 90分 |
Associateレベル(5種類)|実務エンジニアの登竜門
Associateレベルは、AWSを使った設計・開発・運用の基本スキルを認定する中級者向け試験群です。中でもAWS Certified Solutions Architect – Associate(SAA)は、求人票で「AWS認定資格保持者歓迎」と記載される際に最も想定される資格で、クラウドエンジニアの登竜門と位置づけられます。設計・開発・運用の3資格の違いはAWSアソシエイト3資格の比較で整理しています。
| 資格名 | 試験コード | 受験料(目安) | 主な対象者 |
|---|---|---|---|
| Solutions Architect – Associate | SAA-C03 | 150USD | クラウドアーキテクト・インフラエンジニア |
| SysOps Administrator / CloudOps Engineer | SOA-C02 | 150USD | 運用・モニタリング担当 |
| Developer – Associate | DVA-C02 | 150USD | AWS上でのアプリ開発者 |
| Data Engineer – Associate | DEA-C01 | 150USD | データパイプライン構築担当 |
| Machine Learning Engineer – Associate | MLA-C01 | 150USD | MLOps・SageMaker活用エンジニア |
Professionalレベル(3種類)|高難度の上位資格
複雑な要件への対応力を問う上級資格です。2025年11月に新設されたGenerative AI Developer – Professionalは、Amazon Bedrockなど生成AIサービスを軸にした設計・実装スキルを認定するもので、2026年3月からは正式試験(AIP-C01)として提供されています。市場のニーズが急拡大している領域に対応した資格です。
| 資格名 | 試験コード | 受験料(目安) | 難易度 |
|---|---|---|---|
| Solutions Architect – Professional | SAP-C02 | 300USD | 最難関クラス |
| DevOps Engineer – Professional | DOP-C02 | 300USD | 高難度 |
| Generative AI Developer – Professional | AIP-C01 | 300USD | 高難度 |
Specialtyレベル(2種類)|専門分野の深い知識を証明
特定分野での深い専門性を問う試験です。Machine Learning – Specialty(MLS-C01)は2026年3月31日に廃止されており、後継としてAssociateのMLAおよびProfessionalのGenerative AI Developerが提供されている点に注意してください。さらにAdvanced Networking – Specialty(ANS-C01)も2026年8月25日が最終受験日と公式発表されています。狙う場合は期限から逆算した計画が前提です(詳細はANS廃止と代替パスの解説を参照)。
| 資格名 | 試験コード | 受験料(目安) | 主な領域 |
|---|---|---|---|
| Advanced Networking – Specialty | ANS-C01 | 300USD | VPC設計・ハイブリッド接続 |
| Security – Specialty | SCS-C03 | 300USD | IAM・暗号化・生成AIセキュリティ |
AWS認定資格の難易度ランキングと学習時間目安
最難関はSolutions Architect – Professional(SAP)です。受験者の体感や合格者の声を総合すると、難易度はおおむね次の序列になります。実務経験の有無や得意分野で順位は前後しますが、上位資格ほど問題文が長文化し、複数サービスの組み合わせを問う設問が増える傾向は共通しています。
| 難易度 | 該当資格(例) | 学習時間目安 |
|---|---|---|
| ★★★★★ | Solutions Architect – Professional(SAP) | 150〜250時間 |
| ★★★★☆ | Advanced Networking、DevOps Engineer Professional、Security Specialty | 120〜200時間 |
| ★★★☆☆ | Generative AI Developer Professional、Data Engineer、ML Engineer | 80〜150時間 |
| ★★☆☆☆ | Solutions Architect Associate(SAA)、Developer、SysOps | 80〜120時間 |
| ★☆☆☆☆ | Cloud Practitioner(CLF)、AI Practitioner(AIF) | 20〜40時間 |
合格率はAWS公式から公表されていません。Foundationalは短期間でも届く一方、Professionalでは1〜2回の不合格を挟む受験者も珍しくない、というのが実情です。
週の学習時間から合格時期を逆算する早見表
上の学習時間目安を「週に確保できる勉強時間」で割ると、受験日をいつに設定すべきかが見えてきます。平日に1時間ずつ確保する場合(週7時間)と、休日を足して週14時間にする場合の2パターンで換算しました。
| レベル(学習時間目安) | 週7時間(平日1時間) | 週14時間(平日1時間+休日3.5時間×2) |
|---|---|---|
| CLF・AIF(20〜40時間) | 約3〜6週間 | 約1.5〜3週間 |
| Associate各種(80〜120時間) | 約3〜4ヶ月 | 約1.5〜2ヶ月 |
| SAP(150〜250時間) | 約5〜8ヶ月 | 約2.5〜4ヶ月 |
たとえばSAAなら、平日1時間しか取れなくても「3〜4ヶ月後」に受験日を予約すれば届く計算です。先に試験日を確定させ、締切から逆算して学習を配分するほうが、ペースを保ちやすくなります。
AWS認定資格保有者の年収相場とキャリアアップ効果
AWS関連スキルを持つエンジニアの市場価値は2026年現在も高水準で推移しています。レバテックキャリアの求人データ(2026年4月時点)では、AWSエンジニアの平均年収は約509万円、年収中央値は約550万円と算出されています。Geeklyの自社データ(2026年2月時点)では平均約580万円と、調査主体によって幅はあるものの、IT職全体の中では高い水準です。いずれも民間の求人サイトによる調査値であり、目安として捉えてください。
AWS認定資格そのものが年収を確約するわけではありませんが、資格手当の支給や案件アサインの優先度に直結するケースが多く、特にAssociate以上のレベルは転職市場で評価されやすい傾向があります。次の表は、こうした民間調査や求人動向をもとにした想定レンジの目安です。
| キャリアレベル | 想定年収レンジ | 推奨資格 |
|---|---|---|
| 未経験〜運用担当 | 400〜500万円 | CLF、SAA |
| 構築・開発エンジニア | 500〜700万円 | SAA、DVA、SOA |
| シニアエンジニア | 700〜900万円 | SAP、DOP、Specialty |
| クラウドアーキテクト/フリーランス | 900〜1,200万円超 | SAP+専門資格+実務リード経験 |
米国EdTech企業Skillsoftの調査によれば、AWS Certified Solutions Architect – Associateは「高収入につながる資格」として国際的にもランクインしており、日本国内のSAA保有者の平均年収も、民間調査では約570万円と、AWSエンジニア全体の平均をやや上回る水準で報告されています。
失敗しないAWS認定資格の取得順番|目的別ロードマップ
取得順は「職種の現在地」から決めるのが最短です。ここでは代表的な3パターンのロードマップを紹介します。
① 未経験からクラウドエンジニアを目指すルート
- CLF(Cloud Practitioner)でAWSの全体像を把握(学習目安20〜40時間)
- SAA(Solutions Architect – Associate)で設計の基礎を固める(学習目安80〜120時間)
- 実務経験を積みながらSOAまたはDVAで運用または開発の専門性を強化
未経験者がいきなりProfessionalを目指すと挫折しやすいため、CLF→SAAの王道ルートが推奨されます。具体的な学習手順はAWS SAA勉強方法ロードマップで解説しています。SAA合格後は実務案件への応募が現実的になり、最初のキャリア転換点となります。
② 開発・データ・AIエンジニア向けルート
- CLF または AIFで基礎を固める
- 担当業務に応じてDVA / DEA / MLAのいずれかを取得
- 専門性を深めてGenerative AI Developer ProfessionalまたはDOPへステップアップ
③ 非エンジニア・マネジメント層向けルート
- CLFでAWS全体の共通言語を獲得
- AIF(AI Practitioner)で生成AIのビジネス活用を理解
営業職・PM・経営層は、Foundational 2資格で十分にクラウドの意思決定や顧客対応に活かせます。技術詳細よりも「コスト構造」「セキュリティ責任共有モデル」など、ビジネス判断に直結する論点を学べる点が魅力です。
挫折する人の2大パターンと立て直し方
ロードマップを決めても、途中で止まる人には共通の型があります。1つ目は「いきなり上位資格」型。実務経験が浅いままSAPやSpecialtyの教材を開き、前提知識の穴埋めに追われて2〜3週間で手が止まるケースです。ここで粘るより、いったんCLFやSAAまで下りて土台を固め直すほうが、結果的に早く上位へ届きます。
2つ目は「テキスト通読が終わらない」型。分厚い対策本を最初のページから読み込み、問題演習に入る前に息切れするパターンです。初週から過去問形式の演習を並走させ、間違えた分野だけテキストに戻る流れへ切り替えると、停滞を抜けやすくなります。教材を「読む順」ではなく「出題される順」で使う発想の転換です。
2026年の制度改定とAWS認定資格を取得するメリット
2025年〜2026年にかけてAWS認定資格は大きな再編期を迎えました。古い情報を参照すると失効済みの資格を目指してしまうリスクがあるため、最新の動向は必ず公式情報で確認することをおすすめします。
2026年の主な制度変更点
- Machine Learning – Specialty(MLS-C01)が2026年3月31日に廃止。今後はAssociateのMLAおよびProfessionalのGenerative AI Developerに移行
- Advanced Networking – Specialty(ANS-C01)は2026年8月25日が最終受験日。以降は新規の認定発行なし(取得済みは標準どおり3年間有効)
- Security – Specialtyが SCS-C03 に更新(SCS-C02は2025年12月1日に提供終了)。生成AI・MLセキュリティの領域が追加
- Generative AI Developer – Professionalのベータ試験が2025年11月18日に開始(ベータ料金150USD)。2026年3月からは正式試験(AIP-C01、300USD)として提供中
AWS認定資格を取得する3つのメリット
- 体系的な知識が身につく:膨大なAWSサービスを役割別・分野別に整理して学べる
- 転職・案件獲得で有利になる:特にAssociate以上は求人要件として明記されるケースが多い
- 受験料割引が続く:AWS認定を1つ取得すると、次回受験で50%割引バウチャーが付与される
全12資格を取得する場合の受験料合計は、米ドル建てで2,450USDです。日本の公式受験料(Foundational 15,000円・Associate 20,000円・Professional/Specialty 40,000円、いずれも税別)で計算すると合計33万円(税別)、税込では36.3万円程度になりますが、職種に合わせて2〜3資格に絞ることで、実用上は十分なスキル証明が可能です。
まとめ
12種類という数は、裏を返せば「職種ごとに最適解が用意されている」ということです。未経験ならCLF→SAA、開発・データ・AI職ならDVA・DEA・MLA、マネジメント層ならFoundational 2枚——本文の早見表で受験月まで決めてしまえば、迷っていた時間をそのまま学習時間に変えられます。
AI/ML領域の再編は現在進行形のため、申し込み前にAWS公式サイトで最新の試験情報だけは確認してください。広い出題範囲と付き合ううえでは、一度間違えた問題を間隔をあけて自動で出題し直すSkillStackの復習機能に演習を乗せてしまうと、取りこぼしを残さず仕上げられます。まずは早見表から、自分の受験月を今日決めるところからどうぞ。
参考サイト
- AWS Certification(AWS認定の一覧・公式)(取得日: 2026年7月7日)
- AWS Certified Advanced Networking – Specialty(最終受験日の告知)(取得日: 2026年7月7日)
- AWS Certified Machine Learning – Specialty(廃止告知)(取得日: 2026年7月7日)
- AWS 認定 試験の前に | 試験料金(AWS公式)(取得日: 2026年7月7日)
- AWS Certified Generative AI Developer – Professional(AWS公式)(取得日: 2026年7月7日)

