「SAAの次はDVAと言われたけれど、開発者向けの資格をインフラ寄りの自分が受けても大丈夫なのか」——AWS DVAとは何かを調べ始めたあなたも、同じ迷いを抱えているかもしれません。結論から言うと、DVAはAWSのサービスを「コードから使う」力を問う資格で、設計の資格であるSAAとは問われ方がはっきり違います。
しかも2026年は、試験そのものが切り替わる年です。現行のDVA-C02は11月30日で終了し、12月1日から新版のDVA-C03が始まります。今から勉強を始めるなら、どちらの版で受けるかを先に決めないと、教材選びの段階で迷うことになります。
受験料や問題数などの基本データ、C02からC03で動く配点、SAAとの違い、そして受験予定日から選ぶべき版。この4つを、AWSの公式情報だけで整理しました。
AWS DVAとは——AWSで動くアプリを「作って、出して、直す」資格
AWS DVA(AWS Certified Developer – Associate)は、AWS上のアプリケーションを開発・テスト・デプロイ・デバッグする力を証明するアソシエイト資格です。試験ガイドが想定するのは、AWSのサービスを使ったアプリ開発と保守の実務経験が1年以上ある開発者です。
求められる知識も具体的です。少なくとも1つの高水準プログラミング言語を扱えること。AWSのAPI・AWS CLI・SDKを使ってアプリを作り、CI/CDパイプラインでデプロイできること。DVAが「開発者の資格」と呼ばれるのは、この前提があるからです。
試験の基本データ(2026年10月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | AWS Certified Developer – Associate |
| 試験コード | DVA-C02(2026年11月30日まで)/DVA-C03(2026年12月1日から) |
| 受験料 | 20,000円(150 USD。別途税がかかる場合あり) |
| 試験時間 | 130分 |
| 問題数 | 65問(うち採点対象50問、採点対象外15問) |
| 出題形式 | 択一選択・複数選択 |
| 合格基準 | 100〜1,000点のスケールスコアで720点以上 |
| 受験方法 | ピアソンVUEのテストセンター、またはオンライン監督付き試験 |
| 受験言語 | 日本語・英語を含む6言語 |
| 有効期限 | 3年間 |
AWSが2026年9月に公表した変更概要によると、試験時間・問題数・合格点・受験料はC03でも据え置きです。変わるのは中身、つまり出題分野の配点とテーマです。
ただ、範囲の差分を眺めるだけでは、自分の弱点は分かりません。どの分野で点を落としそうかが見えていないと、C03で増える分野に時間を回すべきかどうかも判断できないからです。
出題範囲は4分野——C03で配点とテーマが変わる
AWSの公式ブログによると、DVAの4分野の枠組みはC03でも維持されますが、配点は動きます。配点上の最大の変化は「トラブルシューティングと最適化」が18%から22%に増えること。代わりに「AWSのサービスによる開発」とデプロイ分野が2ポイントずつ減ります。
| 分野 | DVA-C02 | DVA-C03 |
|---|---|---|
| 1. AWSのサービスによる開発 | 32% | 30% |
| 2. セキュリティ | 26% | 26% |
| 3. デプロイ(C03は「テストとデプロイ」) | 24% | 22% |
| 4. トラブルシューティングと最適化 | 18% | 22% |
C03の主な変更点
同じ公式ブログでは、C03で次の内容が加わると説明されています。どれも、ここ数年で開発現場の仕事が変わった部分です。新しいタスクの詳細は、10月27日に公開予定の試験ガイドで確定します。
- 全分野にまたがるAI支援開発:AIツールを使ったコード生成やレビュー、テストの自動化、CI/CDの支援、エラーの分析、性能の最適化
- AIのセキュリティ(新しいタスク2.3):AIサービスへのアクセス管理、データのプライバシー保護、プロンプトインジェクション対策、AIエージェントに与える権限や操作の制御、ログに機密情報を残さない工夫
- コンテナの管理:Amazon ECRでのコンテナイメージの構築・管理と、Amazon ECS・Amazon EKS・AWS Fargateへのデプロイ
- 新たに範囲に入る主なサービス:Amazon Bedrock、Amazon Bedrock AgentCore、Amazon Q、Kiro、Amazon Data Firehose、AWS PrivateLink
AIが加わるといっても、プロンプトエンジニアリングやRAGの設計、AIモデルの選定は引き続き範囲外です。問われるのは、AIを開発の道具として使いこなし、AIを組み込んだアプリを安全に作れるか、という開発者の視点です。
なお、C02の試験ガイドにもすでに「新たなトピック」としてAI支援開発ツールの活用が載っています。ただし現行版では採点されない試行問題の扱いです。C03では、AIのセキュリティがタスク2.3として正式な出題範囲に入る予定です。
難易度とSAAとの違い——DVAはアーキテクチャ設計より実装寄り
DVAの合格率はAWSから公表されていません。難易度の目安になるのは、試験ガイドが示す受験者像です。AWSでのアプリ開発・保守の実務経験1年以上と、高水準プログラミング言語1つ以上の知識。コードを書いた経験がどれだけあるかで、体感の難しさが大きく変わる試験です。
SAAとの違いは、試験ガイドの「範囲外の業務」に表れています。DVAの試験ガイドは、アーキテクチャの設計、CI/CDパイプラインの設計と構築、IAMユーザー・グループの管理、VPCなどネットワークの設計を、受験者に求めない業務として明記しています。このうちアーキテクチャやネットワークの設計は、SAAが重点的に問う領域です。
| 比較項目 | SAA | DVA |
|---|---|---|
| 想定する職種 | ソリューションアーキテクト | 開発者 |
| 問われる力 | 要件に合う構成を選ぶ | サービスをコードから使い、出して、直す |
| 主な出題領域の例 | マルチAZ、VPC設計、ストレージ選定 | SDKやAPIの使い方、Lambda、DynamoDB、デプロイ、ログからの原因調査 |
| 想定する経験 | AWSサービスを使ったクラウドソリューション設計の実務経験1年以上 | AWS上のアプリ開発・保守の実務経験1年以上と、高水準プログラミング言語1つ以上 |
インフラ寄りの人がDVAで苦労するのは、コードの挙動を前提にした問題です。たとえばDynamoDBへの書き込みが失敗したとき、SDK側で何をすべきか。サーバーを設計する発想では答えが出ません。逆に、日ごろアプリを書いている人にとっては、SAAより取り組みやすく感じられる場合があります。
アソシエイト資格を職種別に比べたい人は、SAA・DVA・SOAの違いを比較した記事も参考になります。
今から受けるならC02かC03か——受験日で決める
判断の基準は、DVA-C02の最終日である11月30日までに受験できるかどうかです。ただし、再受験の余地を残すなら、初回受験の目安はもう少し手前です。AWS認定は、不合格になると14日間たつまで再受験できないからです。
| あなたの状況 | 選ぶ版の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| すでにC02の対策が進んでいて、11月16日までに初回受験できる | C02 | 不合格でも、日程上は11月30日までに1回だけ再受験できる(予約枠の空きは保証されない) |
| 11月17日〜30日にしか受けられない | C02(一発勝負)かC03 | C02で落ちると、再受験はC03になる |
| これから勉強を始める | C03 | 10月27日に公開される新しい試験ガイドに合わせて準備できる |
2026年10月5日時点で、11月30日までは約8週間です。AWSでの開発経験が少ない状態から準備を始める場合、この期間で初回受験と再受験の両方を確保するのは余裕が少なくなります。実務経験や学習の進み具合を踏まえて、C03も候補に入れて判断してください。
C03の対策を始める時点で気をつけたいのが、教材の版です。C02向けの教材でも開発・セキュリティ・デプロイの基礎はそのまま使えます。一方で、AIのセキュリティやコンテナの新テーマは、C03対応をうたう教材か公式の試験ガイドで補う必要があります。日程と注意点の詳細はDVA-C03への改定を解説した記事にまとめています。
よくある質問
DVAはオンラインで受験できますか?
受験できます。ピアソンVUEのテストセンターのほか、自宅や職場から受けるオンライン監督付き試験も選べます。日本語で受験でき、C03も提供開始時点で現行の全言語に対応すると発表されています。
プログラミング経験がなくてもDVAに合格できますか?
試験ガイドは、高水準プログラミング言語を少なくとも1つ扱えることを前提にしています。試験でコードを書くことはありませんが、SDKの呼び出しやエラー処理を読み解く問題が出ます。未経験なら、簡単なアプリを1本作ってから臨むのが近道です。
DVA-C02で合格した資格は、C03開始後も有効ですか?
有効です。どちらの版で合格しても、資格名は同じAWS Certified Developer – Associateで、有効期限は取得から3年間です。版の切り替えで、取得済みの資格が失効することはありません。
SAAとDVAはどちらを先に受けるべきですか?
受験の順番に公式な前提はありません。アプリ開発の力を先に証明したいならDVA、Well-Architected Frameworkに基づく構成設計を先に学びたいならSAAを先に検討するとよいでしょう。SAAに合格すると次の試験で使える50%割引バウチャーが手に入るため、続けてDVAを受ける場合の負担も下がります。利用条件は認定アカウントで確認してください。
まとめ
AWS DVAとは、AWSのサービスをコードから使い、デプロイし、問題を直す力を問う開発者向けの資格です。12月1日からはDVA-C03に切り替わり、トラブルシューティングの比重が増え、AI支援開発・AIのセキュリティ・コンテナが範囲に加わります。
11月30日までに受けきる見通しが立たないなら、受験はC03と決めてしまうのが一番迷いの少ない道です。そのうえで、2026年10月27日に新しい試験ガイドが出るまでは、C03でも配点が26%のまま変わらないセキュリティ分野の基礎固めに充てられます。C03で比重が増すトラブルシューティングが自分の弱点かどうかは、SkillStackの分野別正答率で確かめてから学習時間を配分すると、増えた4ポイントに振り回されずに済みます。
参考サイト
- AWS Certified Developer – Associate|AWS 公式(取得日: 2026年10月5日)
- AWS Certified Developer – Associate (DVA-C02) 試験ガイド|AWS ドキュメント(取得日: 2026年10月5日)
- Certification updates from AWS Training and Certification: September 2026|AWS Training and Certification Blog(取得日: 2026年10月5日)
- AWS認定 試験の受験料|AWS 公式(取得日: 2026年10月5日)
- AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03) 試験ガイド|AWS ドキュメント(取得日: 2026年10月5日)
- AWS認定取得者の特典|AWS 公式(取得日: 2026年10月5日)
- AWS Certification Retake Policy|AWS 公式(取得日: 2026年10月5日)
