AZ-900の勉強法を調べると「Microsoft Learnを一周してから問題集」と書かれています。方向性は正しいのですが、その一周の対象が現在いくつあるのかまで書いてある記事はほとんどありません。試験範囲に直接対応するパート1〜3は12モジュール。任意のハンズオンであるパート4を含めると、公式の無料教材は全20モジュールです。
教材が無料で揃っているぶん、差がつくのは順番と時間配分です。ラーニングパスを読み終えた達成感と、選択肢を前に即答できる状態は別物。ここを埋めないまま受験日を決めると、45分の試験で手が止まります。
この記事では、公式教材の現在地、受験者が混同しやすい5つのサービスの組み合わせ、そして平日30分・土日各2時間で回す4週間スケジュールまでを具体的に示します。今日どのモジュールから開けばいいかが決まります。
AZ-900勉強法の全体像|公式の無料教材で回す4ステップ
AZ-900は、公式の無料教材を中心に学習計画を組める試験です。Microsoftがラーニングパス、練習評価、試験サンドボックスをいずれも無料で公開しているためです。全体像は4ステップに整理できます。
| ステップ | やること | 使う教材 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| ① 一周する | 3分野を通しで理解する | 公式ラーニングパス(パート1〜3・12モジュール) | 約12時間 |
| ② 弱点を測る | 分野ごとの穴を特定する | 公式の練習評価(プラクティス評価) | 2回で約2時間 |
| ③ 解消する | 混同しているサービスを問題形式で見分ける | 問題演習(アプリ・問題集) | 約10時間 |
| ④ 慣れる | 試験画面と時間感覚を確認する | 試験サンドボックス+最終確認 | 約2時間 |
合計は約26時間。この時間はSkillStack編集部の目安で、Microsoftが示す推奨時間ではありません。クラウドやインフラの実務経験があるなら、①を短縮して③に寄せてください。試験の難易度や配点そのものはAZ-900の難易度と出題範囲で整理しています。
配分で注意したいのは、③に約10時間と、①とほぼ同じ時間を確保している点です。①だけで学習を終えがちですが、読み終えた時点では「Azure Policyとリソースロックの違いを説明してください」と聞かれて答えられないことが珍しくありません。この差は、問題の形で問われて初めて表面化します。
ステップ1〜2|公式ラーニングパスは4部構成、対応分野で選ぶ
まず教材の現在地を押さえてください。AZ-900向けの公式ラーニングパスは「クラウド インフラストラクチャの概要」というシリーズで、2026年8月時点では4部構成です。パート3までが座学、パート4はハンズオンにあたります。
| パート | ラーニングパス名 | モジュール数 | 対応する出題分野 |
|---|---|---|---|
| パート1 | クラウドの概念について説明する | 3モジュール | クラウドの概念(25〜30%) |
| パート2 | Azureのアーキテクチャとサービスについて説明する | 5モジュール | アーキテクチャとサービス(35〜40%) |
| パート3 | Azureの管理とガバナンスについて説明する | 4モジュール | 管理とガバナンス(30〜35%) |
| パート4 | ガイド付きプロジェクトでAzureスキルを適用する | 8モジュール | (ハンズオン。出題分野に直接対応しない) |
パート1〜3の12モジュールが、試験の3分野におおむね対応しています。順番に進めたうえで公式の学習ガイドと照らし合わせれば、範囲の抜けを自分で確認できます。
パート4は試験対策として必須ではありません。AZ-900は概念や役割を説明できるかを問う試験で、構築作業そのものは問われないためです。それでも8本のガイド付きプロジェクトには、Blob Storageでの静的サイト公開、タグとロックによる保護、Entra IDとRBACでのアクセス設定、コストガードレールの設定などが並びます。手を動かした経験は、後述する混同ペアの区別に効きます。
ステップ2の練習評価は、①を終えた直後に受けてください。目的は点数ではなく、分野ごとの弱点の特定です。ここで「管理とガバナンスだけ極端に低い」と分かれば、残りの学習時間の配り方が決まります。逆に、練習評価を挟まずに問題集へ進むと、得意分野を繰り返し解いて満足する状態に陥りがちです。
ステップ3|混同しやすい5ペアを先に解消する
AZ-900の失点は、知らないサービスよりも「知っているつもりのサービス」で起きやすくなります。名前も役割も近い組み合わせが範囲に多く含まれるためです。混ざりやすい5ペアと、その見分け方を整理しました。
| 混同しやすいペア | 役割の違い | 手を動かして確かめるなら |
|---|---|---|
| Azure Policy と リソースロック | Policyは構成ルールへの準拠を評価・適用する仕組み。ロックは管理プレーン上でリソースの変更や削除を制限する仕組み | ガイド付きプロジェクト「タグとロックでリソースを整理して保護する」 |
| Microsoft Entra ID と Azure RBAC | Entra IDはIDの管理と認証。RBACはAzureリソースに対する認可(何ができるか) | ガイド付きプロジェクト「新しい従業員アクセスを設定する」 |
| Azure Monitor と Azure Service Health | Monitorはメトリックやログを収集・分析して通知する。Service Healthは自分のサブスクリプションに影響するインシデントや計画メンテナンスを知らせる | ガイド付きプロジェクト「サービス正常性とアクティビティログアラート」 |
| Azure Advisor と Azure Monitor | Advisorは構成や利用状況にもとづく改善の提案。Monitorはテレメトリの収集・可視化・通知 | Azure portalで両方の画面を開いて見比べる |
| 可用性ゾーン と リージョンペア | 可用性ゾーンは同一リージョン内の物理的に分離されたゾーン。リージョンペアは更新や復旧で考慮される2つのリージョンの組み合わせで、冗長化には利用者側の配置・複製の設計が必要 | パート2「コアアーキテクチャコンポーネント」を再読 |
このペアは、テキストを読み返すだけでは区別が定着しにくくなります。「AとBのどちらを使うべきか」という形式で問われて、選び間違えて、解説で理由を確認する。この往復が効率的な方法の一つです。SkillStackではAZ-900の250問をすべて無料で演習できるので、この往復を繰り返す用途に使えます。
コスト系の用語も落としやすい領域です。料金計算ツール、Azure Cost Management、タグによるコストの分類。どれも「お金まわり」で一括りにすると、設問の言い換えに対応できません。何を見積もり、何を追跡し、何で分類するのか。役割で分けて覚えてください。
4ステップを回す4週間スケジュール|平日30分・土日各2時間
働きながらなら、4週間が現実的な単位です。平日は1日30分で週2.5時間、土日はそれぞれ2時間で週4時間。合計すると週6.5時間、4週間で26時間になります。読むステップ①②を土日に、演習のステップ③を平日に割り当てるのがポイントです。以下の表は、土曜から翌週の金曜までを1週として数えています。
| 週 | 土日(各2時間・計4時間) | 平日(1日30分・計2.5時間) | 到達点 |
|---|---|---|---|
| 1週目 | ①パート1の3モジュール+パート2の1本目を読む(4時間) | ③直前の土日に読んだ範囲を演習で確認(2.5時間) | クラウドの概念を自分の言葉で説明できる |
| 2週目 | ①パート2の残り4モジュールを読む(4時間) | ③アーキテクチャとサービスの演習(2.5時間) | 主要サービスの役割が言える |
| 3週目 | ①パート3の4モジュール(3時間)+②練習評価1回目(1時間) | ③練習評価で低かった分野を重点演習(2.5時間) | 自分の穴が分野名で言える |
| 4週目 | ①弱い分野の読み直し(1時間)+②練習評価2回目(1時間)+④サンドボックスと最終確認(2時間) | ③間違えた問題と混同5ペアだけを繰り返す(2.5時間) | 時間内に解き切れる |
各ステップの合計は、①が12時間、②が2時間、③が10時間、④が2時間。冒頭の4ステップの表と一致します。
受験日は、遅くとも3週目の頭に予約してください。予約が入っていない学習は、4週目が5週目に、5週目が来月に伸びます。日付が決まって初めて、平日30分の優先順位が上がります。
平日の30分をどこから捻出するかは、通勤時間が第一候補です。往復で15分ずつなら週150分。スキマ時間のスマホ学習術で扱った要領で、腰を据えて読む時間は週末に集約し、平日は演習だけに割り切るほうが続きます。
直前と当日にやること
直前1週間で新しい教材に手を出さないでください。やることは3つに絞れます。
- 練習評価をもう一度:1回目と同じ分野が落ちていないかを確認する
- 試験サンドボックスに触る:Microsoftは、試験で使うのと同じユーザーインターフェイスで問題の種類を操作できると説明しています。操作面の戸惑いを減らせます
- 混同ペアの読み返し:ステップ3で作った自分用のメモだけを見る
当日は45分という時間感覚を頭に入れておきます。じっくり考え込む余裕は多くありません。迷った問題は見直し用にフラグを立てて先へ進み、最後に戻る。この運用が前提です。
不合格の場合も再受験できます。1回目の不合格なら24時間後、2回目以降は14日間の待機期間が入ります。初回受験日から12か月で受けられるのは5回まで。24時間ルールがあるぶん、記憶が新しいうちに立て直しやすい試験でもあります。
よくある質問
参考書は買わなくても合格できますか?
公式のラーニングパス、練習評価、試験サンドボックスがいずれも無料で公開されているため、公式教材を中心に学習計画を組めます。書籍を足すなら、①の理解が進まなかった分野に限って補助的に使うと無駄になりません。
Azureの実務経験がなくても大丈夫ですか?
AZ-900は実務経験を前提としない初級レベルの認定で、Microsoftも「Azureのキャリアに向けた一般的な出発点」と位置づけています。実際に画面を触ると用語は定着しやすくなりますが、必須ではありません。Azureアカウントを作って試す場合は、無料枠の対象と期間の条件を確認し、演習で作成したリソースは終わったら削除してください。
ハンズオン(パート4)は必ずやるべきですか?
試験対策としては必須ではありません。出題は概念や役割の説明が中心だからです。ただしタグとロック、Entra IDとRBACのように混同しやすい領域は、8本のガイド付きプロジェクトで実際に設定してみると区別が定着します。時間に余裕があるなら、弱い分野に対応する回だけ拾う使い方が現実的です。
出題範囲が更新されたと聞きました。教材は買い直しですか?
2026年7月20日に評価されるスキルが更新されましたが、3分野の構成と配点は据え置きで、変更は各分野の中身にとどまります。公式のラーニングパスは更新後の内容に対応しているため、無料教材を使う限り買い直しは不要です。市販教材を使う場合は、コンピューティング/ネットワーク、リソース管理、監視の記述を公式の学習ガイドと突き合わせてください。
まとめ
AZ-900の学習でつまずくのは、教材が足りないからではありません。公式の無料教材だけで12モジュールぶんの範囲が揃っている一方、読み終えた達成感で止まってしまうからです。読む時間と、選び分ける練習の時間を、最初から別枠で確保してください。
今日できることは3つあります。パート1の最初のモジュールを開く、受験日を仮でも決める、そして混同ペアのメモを作り始める。演習に使う教材を増やしたくないなら、SkillStackに収録されたAZ-900の250問が無料で使えます。4週間後、45分の試験を落ち着いて解き切れる状態を作りましょう。
参考サイト
- 試験 AZ-900 の学習ガイド(出題範囲・配点・合格点・変更履歴)(取得日: 2026年8月12日)
- Microsoft 認定: Azure Fundamentals(試験時間・練習評価・サンドボックス)(取得日: 2026年8月12日)
- ラーニングパス パート1: クラウドの概念について説明する(取得日: 2026年8月12日)
- ラーニングパス パート2: Azureのアーキテクチャとサービスについて説明する(取得日: 2026年8月12日)
- ラーニングパス パート3: Azureの管理とガバナンスについて説明する(取得日: 2026年8月12日)
- ラーニングパス パート4: ガイド付きプロジェクトでAzureスキルを適用する(取得日: 2026年8月12日)
- Microsoft Learn — 試験の再受験ポリシー(取得日: 2026年8月12日)

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