AWSで機械学習・データ系の資格を探すと、いま名前が挙がるのはMLA(Machine Learning Engineer - Associate)とDEA(Data Engineer - Associate)の2つです。長く定番だったMachine Learning Specialty(MLS)は2026年3月31日で提供を終え、機械学習系の認定は実質的にMLAへ引き継がれました。生成AI・データ活用の需要拡大を背景に、どちらも実務直結のアソシエイト級として存在感を増しています。
とはいえ「MLAとDEAは何が違うのか」「どちらを先に取るべきか」「難易度や料金は」という疑問に答えが出ないと、学習計画は立てられません。2つは受験料や試験時間こそ共通ですが、問われる領域も、実は問題形式も別物です。
読み終える頃には、両試験の概要と出題ドメインの公式配点、2資格の違いが整理でき、自分の業務とキャリアに照らして「どちらから・どの順で取るか」を自分で決められるようになります。
AWS MLA・DEAとは|2024年に登場した新アソシエイト資格
MLAとDEAは、いずれもAWS認定のアソシエイト級に位置づけられる資格です。AWSのアソシエイト級は従来、SAA(ソリューションアーキテクト)・DVA(デベロッパー)・SOA(システムオペレーション)の3本柱でしたが、そこにデータと機械学習という専門領域が加わった形です。
役割で覚えると整理しやすく、「データ系ならDEA、機械学習ならMLA、開発系ならDVA、運用系ならSOA」というのが基本の選び方です。AWS認定全体の中での位置づけは、AWS認定資格12種類の比較もあわせて確認すると、自分のキャリアに必要な資格が見えてきます。とはいえ、いざ受験を決めても「出題範囲が広く、何から手をつければいいのか分からない」と最初の一歩でつまずく人が多いのも事実です。資格選びと学習計画はセットで立てないと、遠回りになりがちです。
AWS MLAとは|機械学習エンジニア向け資格
MLA(MLA-C01)は、AWS上で機械学習ソリューションとパイプラインを構築・運用・デプロイ・保守する能力を認定する試験です。単にモデルを作るだけでなく、CI/CDパイプラインの構築やデプロイ後の監視・運用といったDevOps寄りのスキルも問われるのが特徴で、SageMakerを中心としたサービス知識が軸になります。前身にあたる旧Machine Learning Specialty(MLS)が2026年3月31日で廃止されたため、現在AWSの機械学習系認定はMLAが中心的な位置を占めています。
出題は4ドメインで構成されます。
- MLのためのデータ準備:28%(取り込み・変換・検証・前処理)
- MLモデル開発:26%(モデル選択・学習・ハイパーパラメータ調整・評価)
- MLソリューションの監視・保守・セキュリティ:24%
- MLワークフローのデプロイとオーケストレーション:22%(エンドポイント・オートスケール・CI/CD)
見落とされがちな点として、MLA-C01の公式試験ガイドには、択一・複数選択に加えて、手順を正しい順序に並べる「並べ替え(Ordering)」と項目を対応付ける「マッチング(Matching)」の問題形式が明記されています。いずれも部分点はなく、すべて正解して初めて得点になります。MLパイプラインの工程を、断片の暗記ではなく「流れ」として理解しておく必要があるということです。
AWS DEAとは|データエンジニア向け資格
DEA(DEA-C01)は、AWS上でデータパイプラインを実装し、コストやパフォーマンスの問題を監視・トラブルシューティング・最適化する能力を認定する試験です。Glue・Kinesis・EMRなどを用いて、データをどう取り込み・整えるかが問われ、難易度はソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)に近いとされています。日本語でも受験できます。
出題は4ドメインで構成され、データの取り込みと変換だけで全体の約1/3を占めるのが特徴です。
- データの取り込みと変換:34%(Glue・Kinesis・EMRなど)
- データストアの管理:26%
- データの運用とサポート:22%
- データセキュリティとガバナンス:18%
なお、DEA-C01の問題形式は択一・複数選択の2種類で、MLAのような並べ替え・マッチング形式はありません。SAAレベルの土台があると学習がスムーズなため、AWS SAAの勉強方法ロードマップで基礎を固めてからDEAに進むのも有効な進め方です。
MLAとDEAの違いと取得順序
両資格はAWSアソシエイト級で、試験スペックは共通している部分が多くあります。違いは「機械学習にフォーカスするか(MLA)、データ基盤にフォーカスするか(DEA)」という対象領域と、問題形式です。
| 項目 | MLA(MLA-C01) | DEA(DEA-C01) |
|---|---|---|
| 対象者 | 機械学習エンジニア | データエンジニア |
| 受験料 | 150 USD | 150 USD |
| 試験時間 | 130分 | 130分 |
| 問題数 | 65問(採点50+非採点15) | 65問(うち非採点15) |
| 合格スコア | 720 / 1,000 | 720 / 1,000 |
| 問題形式 | 択一・複数選択+並べ替え・マッチング | 択一・複数選択のみ |
| 中心サービス | SageMaker など | Glue・Kinesis・EMR など |
取得順序については、MLAを受験する前にDEAを取得しておくと、データ準備など重複する範囲が多くスムーズに学習を進められます。データ基盤を扱う職種の人はDEAを軸に、機械学習の実装・運用を担う人はMLAを軸に選ぶとよいでしょう。両方取得すれば、データの準備からモデルの運用までを一気通貫で扱える人材であることを示せます。
タイプ別・どちらから取るかの判断表
迷ったら、資格から選ぶのではなく「いまの業務と1年後にやりたいこと」から逆引きするのが確実です。
| あなたの現在地 | 先に取る資格 | ねらい |
|---|---|---|
| データ基盤の構築・運用が本業 | DEA | GlueやKinesisの知識の体系化が業務に直結。MLに進む予定がなければDEA単独で完結 |
| ML・生成AIの実装や運用を担う | MLA | SageMaker中心の出題が実務と重なる。データ準備28%はDEA範囲への入口にもなる |
| 両方を視野に入れている | DEA→MLA | データ準備の重複範囲を2度目はショートカットでき、合計の学習時間を圧縮できる |
| AWS自体がほぼ初めて | SAA(またはCLF)→DEA | 両試験ともVPC・IAM・S3の基礎理解が前提。土台を先に作る方が結局早い |
よくある質問
MLAとDEAはどちらを先に取るべきですか?
機械学習が目的でも、先にDEAを取得しておくとデータ準備分野の知識が重複するため、MLAの学習がスムーズになります。一方、目的がデータ基盤の構築・運用であればDEA単独で十分です。自分の業務領域に近い方から着手し、必要に応じてもう一方を追加するのが効率的です。
旧Machine Learning Specialtyとの違いは何ですか?
MLAは、CI/CDパイプラインやインフラ自動化、デプロイ後の運用・監視といったDevOps寄りのスキルに重点を置いている点が、旧Machine Learning Specialty(MLS)との大きな違いです。なおMLSは2026年3月31日で提供が終了しており、現在新規に受験できる機械学習系のAWS認定はMLAが中心です。
未経験でもMLA・DEAに合格できますか?
いずれもアソシエイト級のため、クラウドの基礎知識があれば未経験からの挑戦も可能です。ただし出題範囲は広いため、AWSのデータ・ML関連サービスの役割を体系的に理解し、問題演習を重ねることが前提になります。DEAはSAA相当の難易度とされるため、基礎固めから入ると安心です。
試験は日本語で受けられますか?
DEAは日本語を含む複数言語で提供されています。AWS認定は多言語対応が進んでいるため、受験申込時に最新の対応言語を公式サイトで確認するとよいでしょう。
まとめ
AWS MLA・DEAは、機械学習エンジニアとデータエンジニアという役割に対応したアソシエイト級資格です。150 USD・130分・65問・合格720点という共通スペックの一方、MLAはSageMaker中心のML実装・運用で並べ替え・マッチング形式あり、DEAはGlue・Kinesis・EMR中心のデータ基盤で択一・複数選択のみと、中身は別物でした。MLS廃止後の機械学習系はMLAが軸になるため、ML志向の人もまずDEAでデータ基盤を固めてから進む2段構えが堅実です。どちらも新しい試験で日本語の解説情報がまだ少ないからこそ、疑問が湧いたらすぐAIに聞いて片付けられるSkillStackを演習の相棒にすると、独学でも足が止まりません。判断表に自分の現在地を当てはめて、最初の教材と申込日を決めるところから始めてみてください。
参考サイト
- AWS「AWS Certified Machine Learning Engineer – Associate」(取得日: 2026年6月18日)
- AWS「AWS Certified Data Engineer - Associate」(取得日: 2026年6月18日)
- AWS「MLA-C01 試験ガイド」(取得日: 2026年6月18日)
- AWS「DEA-C01 試験ガイド」(取得日: 2026年6月18日)
- AWS Training and Certification Blog「AWS expands AI certification portfolio and updates security certification」(取得日: 2026年7月7日)
