「E資格の合格率は7割くらい」——そう聞いて受験を決めた人は、2026年第2回の数字を見て少し手が止まるかもしれません。67.04%。前回から2.13ポイント下がり、直近4回では最も低い水準です。それでも、慌てる理由はありません。数字の中身を開けると、下がった場所は1か所に集中しています。
JDLAは2026年9月18日、2026年第2回E資格の結果と、あわせて2027年の年間開催スケジュールを公表しました。改定シラバスが初めて適用された回であり、科目別の平均得点率には前回と違う動きが出ています。
この記事を読み終えるころには、今回の合格率が何を意味するのか、2027年2月の回を狙うなら今月から何を押さえておく必要があるのか、そして受験資格の「過去2年以内」が自分の場合いつまで有効なのかが、具体的な日付で分かります。
E資格2026#2の合格率は67.04%——受験者1,062名のうち712名が合格
2026年8月28日から30日に実施された「JDLA Deep Learning for ENGINEER 2026 #2」は、申込者1,093名、受験者1,062名、合格者712名という結果でした。合格率は67.04%。E資格の累計合格者数は11,550名に達しています。
直近の推移を並べると、位置づけが見えてきます。
| 開催回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2024 #1 | 1,194名 | 867名 | 72.61% |
| 2024 #2 | 906名 | 600名 | 66.23% |
| 2025 #1 | 1,043名 | 712名 | 68.26% |
| 2025 #2 | 1,039名 | 730名 | 70.26% |
| 2026 #1 | 1,317名 | 911名 | 69.17% |
| 2026 #2 | 1,062名 | 712名 | 67.04% |
過去16回の全体を見ると、最高は2021年第1回の78.44%、最低は2019年第1回の63.31%。今回の67.04%はその中間で、2024年第2回の66.23%に近い値です。「急に難化した」と言い切れるほどの落ち込みではありません。
合格者の顔ぶれも公表されています。年代別では20代が308名(43.26%)、30代が205名(28.79%)で、この2つで7割超。職種別では情報システム・システム企画が228名(32.02%)、研究・開発が202名(28.37%)と、実装と企画の両側から受けに来ている構図です。
ただ、この合格率は受験資格を満たした人だけを母集団にした数字です。認定プログラムを修了してから試験日までには、たいてい数か月の空白が生まれます。応用数学や機械学習の基礎は、講座を終えた直後が一番覚えている。そこから手を動かさなければ、記憶は静かに削れていきます。この空白をどう埋めるかで、直前期の負荷はまるで変わります。
改定シラバス初適用で動いたのは「開発環境」だけ——科目別得点率を前回と比較
今回の合格率低下は、4科目のうち1科目だけで起きています。JDLAが公表した科目別平均得点率を、旧シラバス最終回だった2026年第1回と並べると一目瞭然です。
| 科目 | 2026 #1(旧シラバス) | 2026 #2(改定シラバス) | 差 |
|---|---|---|---|
| 応用数学 | 60.48% | 60.90% | +0.42pt |
| 機械学習 | 59.91% | 60.07% | +0.16pt |
| 深層学習 | 60.74% | 62.32% | +1.58pt |
| 開発環境 | 79.46% | 70.00% | -9.46pt |
応用数学・機械学習・深層学習は横ばいか微増。一方で開発環境だけが9.46ポイント下がりました。2026年第2回はE資格の改定シラバスが初めて適用された回で、出題数も104問から105問に変わっています。
ここで注意したいのは、JDLAがこの変化の理由を公表していない点です。改定内容が開発環境に効いたのか、受験者層の違いによるものかは、公式には説明されていません。分かっているのは「改定後の初回で、開発環境の平均得点率だけが下がった」という事実だけです。
それでも受験する側にとっての示唆ははっきりしています。2026年第1回では、開発環境だけが79.46%と突出して高く、残り3科目は60%前後に並んでいました。ここで稼いで他科目の失点を埋める、という組み立てをしていた人は、その前提を一度外したほうがいいということです。改定後の傾向は次回以降のデータが出るまで確定しません。ただ、少なくとも「開発環境は貯金科目」という読みは、今回の数字では成立していません。
2027年のE資格は2月と8月の年2回——申込開始は2026年12月1日
同じ発表で、2027年の年間開催スケジュールも確定しました。従来どおり年2回です。
| 試験日 | 申込受付期間 | |
|---|---|---|
| 2027年 第1回 | 2027年2月19日(金)〜2月21日(日) | 2026年12月1日(火)〜受験日前日23:59 |
| 2027年 第2回 | 2027年8月27日(金)〜8月29日(日) | 2027年6月1日(火)〜受験日前日23:59 |
申込は受験日前日の23:59まで受け付けられます。締切が試験直前まであるぶん、先延ばしにしやすい構造です。試験は全国の指定試験会場で実施され、会場は申込時に選択します。会場と日程の組み合わせを押さえたいなら、12月1日の受付開始を起点に動くことになります。
受験料は2026年第2回時点で一般33,000円、学生22,000円、協会会員27,500円(いずれも税込)。2027年分の受験料について、JDLAは今回の発表で変更を示していません。
誰に影響するのか——2027年2月を狙うなら逆算すべき日付
今回の発表で行動を変える必要があるのは、まだ認定プログラムを修了していない人です。E資格には受験資格があり、JDLA認定プログラムのいずれかを試験日の過去2年以内に修了していることが必須条件になっています。試験対策の前に、この条件を満たす段取りが要ります。
立場別に、2027年第1回(2027年2月19日〜21日)を基準にした動き方を整理します。
| あなたの状況 | 2027年第1回に向けた動き |
|---|---|
| 認定プログラムを修了済み(2025年2月以降) | 受験資格は有効。12月1日の申込開始に合わせて会場を確保し、改定シラバスの差分確認に時間を充てる |
| 認定プログラムを受講中 | 試験日までに修了できるかを講座側に確認。修了が2月にずれ込むなら第2回(8月)に切り替える判断も |
| まだ講座を選んでいない | 2月の回は日程が厳しい。8月の第2回を本命に置き、今は講座選びと数学・機械学習の下地作りに回す |
| 2025年前半に修了して未受験 | 修了日から2年の期限が先に来る可能性がある。自分の修了日を確認し、期限内の回を選ぶ |
「過去2年以内」を2027年第1回に当てはめると、修了日が2025年2月19日以降であれば条件を満たす計算になります。ただし、これは公式の条件から日付を逆算したものです。境界にあたる時期に修了した人は、JDLAまたは受講した認定プログラムの事業者に直接確認してください。
なお、認定プログラムの受講料は厚生労働省の教育訓練給付制度(専門実践教育訓練)の対象になる場合があり、条件を満たせば最大70%が支給されます。講座選びの段階で、対象講座かどうかを確認しておくと負担が変わります。
よくある質問
E資格の合格点は何点ですか
JDLAの公式ページに合格基準の記載はありません。公表されているのは回ごとの合格率と、科目別の平均得点率のみです。2026年第2回の平均得点率は応用数学60.90%、機械学習60.07%、深層学習62.32%、開発環境70.00%でした。
認定プログラムを修了しないと受験できませんか
できません。JDLA認定プログラムのいずれかを試験日の過去2年以内に修了していることが受験資格です。プログラムは教育事業者が提供し、JDLAが最新シラバスを網羅しているかを審査して認定しています。
2026年第2回から何が変わったのですか
改定シラバスが初めて適用されました。試験時間120分は変わらず、出題数は2026年第1回の104問から105問になっています。科目別の平均得点率では開発環境が9.46ポイント下がりましたが、JDLAはその理由を公表していません。
G検定とどちらを先に受けるべきですか
E資格は認定プログラムの修了が必須で、受験料も33,000円(一般・税込)かかります。ディープラーニングの全体像から入りたい場合はG検定が先で、E資格の難易度と受験料を確認したうえで順番を決めるのが現実的です。
まとめ
67.04%という数字だけを見ると身構えてしまいますが、過去16回の幅(63.31%〜78.44%)の中では中位です。むしろ注目すべきは、下がったのが開発環境の1科目だけだったこと。改定シラバス初適用の回で何が動いたのかを、JDLAの公表データはかなり具体的に示しています。次の一手は明快です。すでに認定プログラムを修了しているなら12月1日の申込開始をカレンダーに入れ、まだなら8月の第2回を本命に据えて講座を選ぶ。どちらの場合も、講座で覚えた応用数学と機械学習を試験日まで落とさない仕組みが要ります。SkillStackには間違えた問題を間隔をあけて出し直す復習機能があるので、通勤中の数分を「忘却を止める時間」に変える使い方ができます。
