8月28日を境に、E資格の試験範囲は新しいシラバスへ切り替わります。ここで身構えてしまう人が多いのですが、先に結論を置いておきます。JDLAが公式に説明している改訂の中身は「キーワードの見直しのみ」です。範囲が丸ごと入れ替わるわけではありません。
とはいえ、E2026#1とE2026#2の境目で受験を検討している人には、確認しておくべき点がいくつかあります。旧シラバス対応の講座を修了した人が受験できるのか。修了から2年のカウントはどこを基準に数えるのか。そして、今回の回に間に合わせるべきか、次回に回すべきか。
この記事を読み終えるころには、自分が8月28日〜30日の回に申し込むべきかどうかを、JDLAの一次情報だけで判断できるようになります。あわせて、新シラバスへの警戒より先に手を付けたほうがいい弱点も、公式が公表した得点データから示します。
新シラバスの適用はE2026#2から——境目は2026年8月28日
切り替えの境目は、2026年8月28日に始まるE2026#2です。JDLAは2025年9月19日の発表で「新シラバスはE資格2026#2から適用されます」と告知しており、2026年3月13日の第1回結果発表でも、次回のE2026#2から改訂シラバスが適用される予定だと重ねて示しています。2026年2月のE2026#1までは、旧シラバスで実施されました。
試験日は2026年8月28日(金)・29日(土)・30日(日)の3日間。申込期間は2026年6月1日から試験前日の23時59分までで、2026年8月14日時点では申込期間中です。
| 回 | 試験日 | 適用シラバス |
|---|---|---|
| E2026#1 | 2026年2月20日〜22日 | 旧シラバス(E2024#2〜) |
| E2026#2 | 2026年8月28日〜30日 | 新シラバス(E2026#2〜) |
試験の仕様は、JDLAの公式案内では120分・多肢選択式100問程度。受験料は一般33,000円、学生22,000円、JDLA会員27,500円(いずれも税込)と案内されています。
問題は、ここから何を勉強し直すかです。「シラバスが変わった」と聞いた瞬間に教材を買い直そうとする人は少なくありませんが、そのお金と時間が本当に必要かは、改訂の中身を見ないと決められません。
JDLAが説明した改訂の中身は「キーワードの見直しのみ」
今回の改訂は、範囲の再編ではありません。JDLAは改訂について「最新の技術動向を踏まえ、キーワードの見直しのみ行っております」と説明しています。分野構成を組み替えたとも、出題比率を変えたとも公表していません。
この一文の重さを、正確に受け取ってください。JDLAは認定プログラムの案内で「シラバスを1~2年に1度見直しております」「おおよそ2年ごとに改訂を予定しています」と説明しています。前回の改訂はE2024#2からの適用でしたから、今回はその周期どおりの更新にあたります。
一方で、公式が明かしていないこともあります。どのキーワードが追加され、どれが外れたのか、項目単位の差分一覧をJDLAは公表していません。個別の追加・削除項目を断定的に書いている解説も見かけますが、確かめるなら原本にあたるのが確実です。JDLA公式サイトには「E資格の試験出題範囲(シラバス)E2026#2〜」と「同 E2024#2〜」の2つのPDFが置かれています。両方をダウンロードして突き合わせれば、差分は自分の目で確認できます。
出題比率についても、JDLAは新旧を比較した数値を公表していません。したがって「深層学習の比重が上がる」といった予測は、現時点で公式に裏付けのある情報ではありません。
誰に影響するのか——旧シラバス対応の講座を修了していても受験できる
受講した講座が旧シラバス対応でも、E2026#2は受験できます。JDLAはよくある質問のなかで「新シラバス対応前のJDLA認定プログラム修了者も、試験から過去2年以内に修了している場合は受験することができます」と明記しています。講座を取り直す必要はありません。
E資格は、試験日から遡って2年以内にJDLA認定プログラムを修了していることが受験の前提です。逆に言えば、修了後の2年間は受験資格が続きます。JDLAは「修了日から受験日まで2年以内であれば再度E資格試験を受験することができます」とも説明しており、不合格だった場合の再挑戦もこの枠内で可能です。
影響の出方は、立場によって3つに分かれます。
- これから受験する人:8月28日以降の受験なら新シラバスが適用されます。原本での範囲確認が必要です。
- 認定プログラムを修了済みの人:修了が試験日から2年以内なら、旧シラバス対応の講座でも受験できます。
- すでに合格している人:今回の改訂が適用されるのはE2026#2以降の試験です。過去の合格に手続きが生じるという案内は出ていません。
E資格の難易度や合格率の全体像を先に押さえておきたい場合は、E資格の難易度・合格率・受験料をまとめた記事も参考になります。
今どう動くべきか——8月28日の回に申し込むかの判断フロー
判断を分けるのは、シラバスの新旧ではなく認定プログラムの修了状況です。基準は申込日ではなく試験日。JDLAは受験資格を「受験日の過去2年以内に講座を修了していること」と定めています。自分がどこに当てはまるかを、次の表で確認してください。
| あなたの状況 | E2026#2を受けられるか | 次の行動 |
|---|---|---|
| 認定プログラムを修了済み(修了日が試験日から2年以内) | 受けられる | 試験前日23:59までに申込。新シラバスPDFで範囲を確認する |
| 修了済みだが、修了日が試験日から遡って2年を超えている | 受けられない | 認定プログラムを受講し直す。新シラバス対応講座を選ぶ |
| 認定プログラムを受講中で、試験日までに修了できる | 受けられる | 受講先に修了見込み日を確認。申込は試験前日23:59まで |
| 受講中だが試験日までに修了できない/未受講 | 受けられない | 修了が先。次回以降の回を前提に学習計画を組む |
| 2月のE2026#1で不合格だった | 修了日が2年以内なら受けられる | 分野別の失点を洗い出してから再挑戦の可否を決める |
試験日までに修了が間に合わない人が気にすべきは、次回の日程です。JDLA公式サイトに掲載されているのは2026年の2回分のみで、2027年の日程は現時点で公表されていません。前回は第2回の結果発表とあわせて翌年のスケジュールが告知されました。日程が読めない以上、講座の修了時期は早めに設定しておくほうが安全です。
新シラバスより先に潰すべき弱点——分野別の平均得点率が示すもの
改訂への警戒より、公表済みの得点データのほうが対策の優先順位を教えてくれます。JDLAが発表した2026年第1回の分野別平均得点率は、開発環境が79.46%だったのに対し、深層学習60.74%、応用数学60.48%、機械学習59.91%。開発環境だけが20ポイント近く高く、残る3分野は60%前後で横並びでした。
この差の読み方はシンプルです。受験者は環境まわりの知識では点を取れているのに、応用数学・機械学習・深層学習という中核の3分野では、平均すると4割を落としていました。キーワードの見直しへの対応に気を取られる前に、まず目を向ける価値のある数字です。
同じ回の全体成績は、受験者1,317名に対し合格者911名、合格率69.17%。累計合格者は10,838名に達しました。E2026#1では7割近くが合格した一方で、中核3分野の平均得点率は6割前後にとどまっていたことになります。
ただしJDLAは、分野ごとの配点や、得点率と合否の関係までは公表していません。この数値はあくまで受験者全体の平均です。自分がどの分野で落としているかは、模試や過去の演習結果から個別に判断してください。E資格の勉強法と学習ロードマップを整理した記事で全体の進め方を確認したうえで、弱い分野に演習量を寄せるのが現実的です。SkillStackでは分野別の正答率が表示されるので、どこで落としているかを数字で切り分けてから学習配分を決められます。
よくある質問
旧シラバスで勉強していました。教材を買い直す必要はありますか
JDLAは改訂を「キーワードの見直しのみ」と説明しており、範囲の再編は発表されていません。まずは公式の新シラバスPDFを旧版と突き合わせ、手持ちの教材でカバーできない項目があるかを確認してください。差分が限定的なら、買い直しより不足分の補強が現実的です。
新シラバス対応の講座を修了していないと受験できませんか
いいえ。JDLAは新シラバス対応前の認定プログラム修了者も、試験日から過去2年以内の修了であれば受験できると明記しています。講座の対応状況ではなく、修了日が2年以内かどうかが条件です。
E2026#2の申込はいつまでですか
申込期間は2026年6月1日から試験前日の23時59分までです。試験日は8月28日(金)〜30日(日)の3日間で、受験料は一般33,000円、学生22,000円、JDLA会員27,500円(税込)となっています。
2027年のE資格はいつ実施されますか
2027年の日程は、現時点でJDLAから公表されていません。公式サイトに掲載されているのは2026年の2回分のみです。前回は第2回の結果発表とあわせて翌年のスケジュールが告知されているため、次の発表を待つことになります。
まとめ
新シラバスという言葉に反応して、教材を総入れ替えしようとしていたなら、いったん止めて構いません。JDLAが説明しているのはキーワードの見直しであり、範囲の再編ではないからです。やるべきことは3つに絞られます。新旧2つの公式PDFを突き合わせて差分を自分の目で確認すること。修了日が試験日から2年以内に収まるかを数えること。そして、E2026#1で受験者平均が60%前後だった応用数学・機械学習・深層学習に、残り時間をどう配分するか決めること。2026年8月14日時点で、試験初日まで2週間あります。落とした分野を洗い出して1問ずつ潰していく作業には、間違えた問題を間隔をあけて出し直してくれるSkillStackのような仕組みを使う手もあります。
参考サイト
- 一般社団法人日本ディープラーニング協会「E資格とは」(取得日: 2026年8月14日)
- JDLA「『2025年 第2回 E資格』結果発表・シラバス改定・2026年開催スケジュールのお知らせ」(取得日: 2026年8月14日)
- JDLA「『2026年 第1回 E資格(エンジニア資格)』結果発表」(取得日: 2026年8月14日)
- JDLA「よくある質問」(取得日: 2026年8月14日)
- JDLA「JDLA認定プログラム」(取得日: 2026年8月14日)
- JDLA「E資格の試験出題範囲(シラバス)E2026#2〜」(取得日: 2026年8月14日)
- JDLA「E資格の試験出題範囲(シラバス)E2024#2〜」(取得日: 2026年8月14日)
