「ORACLE MASTER Bronze を受けようとしたら、2019 と 26ai の2種類があった。どちらを選べばいいの?」——2026年にオラクルマスターを調べ始めた人の多くが、最初にここで迷います。結論から言えば、試験時間・問題数・合格ラインは2つとも同じです。違うのは出題範囲で、26ai 版はマルチテナント環境を前提にした出題になりました。
受験料は2026年6月の改定で1回48,593円(税込)になりました。安い試験ではないからこそ、仕事で使う Oracle Database のバージョンや、その先に目指す資格と合わせて版を選ぶ必要があります。
この記事では、Oracle University Japan の公式ページで試験時間・問題数・合格ライン・出題範囲を版ごとに確かめ、2つの出題範囲を項目単位で突き合わせました。読み終えるころには、あなたが受けるべき版と、合格ラインから逆算した正解数の目安がはっきりしているはずです。
ORACLE MASTER Bronzeとは|Oracle Databaseの運用管理の基礎を証明する入門資格
ORACLE MASTER Bronze は、Oracle Database の仕組みと日常の運用管理の基本を理解していることを証明する、オラクル公式の入門資格です。26ai 版の公式説明では、上位の技術者の指導や手順書に従って基本的なタスクを行えるスキルを証明する資格と位置づけられています。前提資格はなく、試験1つに合格すれば認定されます。
ORACLE MASTER の DBA 系資格は Bronze・Silver・Gold・Platinum の4段階で、ほかに SQL の知識を証明する Silver SQL があります。現在は Oracle Database 19c に対応した「2019」と、Oracle AI Database 26ai に対応した「26ai」の2系統が並んでいます。
| 資格 | 2019 の試験 | 26ai の試験 | 前提資格 |
|---|---|---|---|
| Bronze DBA | 1Z0-085-JPN | 1Z0-185-JPN | なし |
| Silver DBA | 1Z0-082-JPN | 1Z0-182-JPN | なし |
| Gold DBA | 1Z0-083-JPN | 1Z0-183-JPN | 2019:10g以降の Silver 資格(Silver SQL を除く)/26ai:Silver DBA 26ai・Silver DBA 2019・Silver 12c/11g |
| Silver SQL | 1Z0-071-JPN | 1Z0-171-JPN | なし |
見落としやすいのは、Bronze が Silver DBA の前提資格ではない点です。2019 版の公式 FAQ は、Silver DBA の試験範囲が Bronze の範囲を内包しているため前提から外したと説明し、初学者や基礎から確認したい人には Bronze からの受験を勧めています。26ai 版でも Silver DBA の前提資格は「なし」です。
とはいえ、ここで手が止まる人も少なくありません。版が2つあり、どちらも同じ「Bronze DBA」という名前です。版が決まらないと教材が選べず、何から手をつければいいかも決まりません。次の章で、まず数字を並べて比べます。
ORACLE MASTER Bronzeの試験概要|2019も26aiも120分・70問・合格ライン65%
Bronze DBA は、2019 版も 26ai 版も試験時間120分・出題数70問・合格ライン65%で、数字の上では違いがありません。2026年10月7日時点で、オラクルの日本語試験一覧には2つの試験が並んで掲載されています。
| 項目 | Bronze DBA 2019 | Bronze DBA 26ai |
|---|---|---|
| 試験名・試験番号 | Bronze DBA Oracle Database Fundamentals(1Z0-085-JPN) | Bronze DBA Oracle AI Database 26ai Fundamentals(1Z0-185-JPN) |
| 対応バージョン | Oracle Database 19c | Oracle AI Database 26ai |
| 試験時間 | 120分 | 120分 |
| 出題数 | 70問 | 70問 |
| 合格ライン | 65% | 65% |
| 出題形式 | 選択問題 | 選択問題 |
| 受験料 | 48,593円(税込。2026年6月1日改定、旧価格41,773円) | 48,593円(税込。2026年6月1日改定、旧価格41,773円) |
| 受験方法 | ピアソンVUEのテストセンター、またはオンライン(監督付き) | ピアソンVUEのテストセンター、またはオンライン(監督付き) |
| 前提資格 | なし | なし |
| 提供状況 | 配信中。配信終了日は発表されていない | 配信中 |
試験時間とは別に、受験規約への同意やアンケートのため15〜30分ほどかかります。受験料は、ピアソンVUEで予約するときに直接払うか、オラクルの「受験チケット(ピアソン VUE 配信監督付き試験用)」で払います。受験チケットは1回限り有効で、有効期間は6か月です。
なお、オラクルはピアソンVUEで配信している監督なし試験を2026年12月1日からオラクルのオンライン試験として配信する予定です。Bronze DBA は監督付き試験なので、この変更の対象ではありません。
英語試験で受けても ORACLE MASTER にはならない
公式の試験一覧は、ORACLE MASTER として認定されるには日本語で受験する必要があると明記しています。英語試験で受けると、オラクル認定資格の対象にはなっても ORACLE MASTER としては同時認定されません。申し込みでは、試験番号の末尾が「-JPN」になっているかを確かめてください。
2019と26aiの違い|28項目中7項目に「マルチテナント」
2つの版の差は、公式の「試験内容チェックリスト」を並べると一目で分かります。どちらも9分野・28項目ですが、26ai 版は28項目のうち7項目の名前に「マルチテナント」が入っています。2019 版のチェックリストには、この語が1つもありません。
| 分野 | 2019(1Z0-085) | 26ai(1Z0-185) |
|---|---|---|
| Oracleデータベース管理の概要 | 6項目 | 8項目(マルチテナント・コンテナ・データベースの利点、26aiの新機能と特徴を追加) |
| インストールとデータベースの作成 | 2項目 | なし |
| 管理ツールの使用 | 4項目(Enterprise Manager Database Express、SQL*Plus) | 2項目(SQL*Plus、SQL Developer) |
| Oracle Network環境の構成 | 3項目 | 4項目(マルチテナント環境のサービスを追加) |
| Oracleインスタンスの管理 | 3項目 | 3項目(起動・停止とパラメータがマルチテナント前提に) |
| 記憶域構造の管理 | 2項目 | 2項目 |
| ユーザーおよびセキュリティの管理 | 4項目 | 3項目(ユーザーとロールがマルチテナント前提に) |
| スキーマ・オブジェクトの管理 | 2項目 | 2項目 |
| バックアップおよびリカバリの概要 | なし | 2項目(マルチテナント・コンテナ・データベースのバックアップを含む) |
| データベースの監視とアドバイザの使用 | 2項目 | 2項目 |
※項目数は公式チェックリストの記載を編集部が数えたもので、配点や出題数の比率を示すものではありません。分野ごとの配点は公表されていません。
まとめると、26ai 版ではインストールと Enterprise Manager Database Express が外れ、SQL Developer、バックアップとリカバリの概要、26ai の新機能が加わりました。インスタンスの起動・停止やユーザー管理といった中心の分野は両方に残っています。19c でもマルチテナント構成は使えますが、Bronze の範囲でコンテナ・データベース(CDB)とプラガブル・データベース(PDB)を項目名に明示しているのは 26ai 版だけです。
どちらを受けるべきか|状況別の判断表
職場で使うバージョンが決まっていないなら、これから長く使う知識が身につく 26ai 版が第一候補です。一方、19c の現場にいる人や、2019 系で Silver・Gold まで進む予定の人は 2019 版のほうが学んだ内容をそのまま使えます。状況別に、編集部の判断を表にしました。
| あなたの状況 | おすすめの版 | 理由 |
|---|---|---|
| 職場で Oracle Database 19c を運用している | 2019 | 試験範囲が手元の環境と一致し、業務と学習が重なる |
| DB の勉強を始めたばかりで、使うバージョンが未定 | 26ai | マルチテナント前提の知識は、上位の Silver DBA 26ai でもそのまま使える |
| Silver DBA・Gold DBA の 2019 系まで続けて取りたい | 2019 | 同じ 19c の範囲で段階的に積み上げられる |
| 市販の教材や問題演習の量を重視したい | 2019 | 2019 版は提供開始から年数がたっており、市販の対応教材を選びやすい |
2019 版の配信終了は、まだ発表されていない
2026年10月7日時点で、オラクルの「配信終了試験一覧」に 1Z0-085-JPN は載っておらず、終了予定のお知らせも出ていません。参考までに、同じオラクルの Java 認定では、2026年9月7日に SE 11 の11月30日での配信終了が告知されました。これは Bronze の終了時期を示すものではありませんが、終了の告知から実際の終了までが短い例もあります。2019 版を選ぶなら受験日を先延ばしにせず、予約の前に公式の配信終了試験一覧を確かめてください。
Bronze 2019 を取っても、26ai の上位資格へ進める
2019 版を選んでも、先の道が閉ざされるわけではありません。公式の移行パスには、Bronze DBA 2019 の保有者が 1Z0-182-JPN に合格して Silver DBA 26ai を取得するルートが示されています。試験の免除などはなく、Silver DBA 26ai はもともと前提資格なしで受けられる試験ですが、2019 で学んだ共通分野はそのまま生かせます。さらに Silver DBA 26ai は、Gold DBA 2019 の前提資格としても有効です。
ORACLE MASTER Bronzeの難易度|単純計算で70問中46問相当の正解が目安
Bronze は ORACLE MASTER の入門資格ですが、用語を眺めただけで受かる試験ではありません。合格率は公表されておらず、客観的な難易度の指標はありません。そこで公式の試験仕様から、試験のペースと求められる力を分解します。
- 必要な正解数:70問の65%は45.5問なので、単純計算では46問相当です。全問が同じ配点とは限らないため、あくまで目安として、本番では50問前後の正解を狙うと余裕が生まれます。
- 時間:120分で70問なので、平均すると1問あたり約103秒です。迷う問題が続くと見直しの時間がなくなるため、1周目のペース配分が得点を左右します。
- 覚える用語の多さ:SGA、PGA、REDO ログ、UNDO、表領域、リスナーなど、Oracle 独自の用語が次々に出てきます。用語と仕組みを結びつけて理解していないと、似た選択肢を選び分けられません。
Silver DBA・データベーススペシャリストとの違い
一段上の Silver DBA は、26ai 版が60問・合格ライン65%、2019 版が72問・合格ライン60%です。2019 版の Silver DBA は Bronze の範囲を内包し、運用管理に必要な基本的な SQL も含みます。26ai 版の Silver DBA は DBA 分野に絞られ、SQL 分野からは出題されなくなりました。どちらも Bronze より実務寄りの運用管理を問います。Silver の詳細はORACLE MASTER Silverとはで解説しています。
国家試験のデータベーススペシャリスト試験は、製品を問わずデータベースの設計を深く問う高度試験です。Bronze は Oracle Database という1つの製品の運用管理を、入門レベルで問います。製品の操作から入るか、設計の理論から入るかで選ぶとよいでしょう。
経験別の難しさの目安
| あなたの経験 | 難しさの目安(編集部) |
|---|---|
| Oracle Database の運用に関わっている | 日常の作業と範囲が重なる(編集部の見立て)。触ったことのない分野(バックアップ、アドバイザなど)を詰めれば届く |
| MySQL や PostgreSQL など他の DB を触ったことがある | SQL や表の考え方は通じる。インスタンスの構造や Oracle 独自の用語を覚え直す必要がある |
| IT の実務経験がない | 用語の量に圧倒されやすい。テキスト1冊を図解中心に読み、用語を自分の言葉で説明できるまで繰り返す |
ORACLE MASTER Bronzeを取るメリットと注意点
最大のメリットは、Oracle Database の基礎知識を、オラクル公式の試験で示せることです。インスタンスとデータベースの関係や、起動・停止の段階を説明できるようになると、運用手順書の「なぜこの順番なのか」が読めるようになります。公式ポータルは、ORACLE MASTER を「29万人を超えるエンジニアから選択されてきた」資格と紹介しており、データベース分野では知名度のある資格です。
注意点は2つあります。1つは費用で、受験料は1回48,593円(税込)、再受験にも同額がかかります。もう1つは、Bronze が Silver の前提ではないことです。DB の運用経験がある人は、Bronze を飛ばして Silver DBA から受けたほうが費用を抑えられます。学び方の具体例はORACLE MASTER Bronzeの勉強法で紹介しています。
よくある質問
ORACLE MASTER Bronze の合格率は公表されていますか?
オラクルは Bronze の合格率を公表していません。ネット上で見かける合格率は公式の統計ではないため、公式に確かめられるのは70問・合格ライン65%という試験仕様までで、単純計算では46問相当の正解が目安になります。
SQL の知識は必要ですか?
必要です。どちらの版のチェックリストにも「リレーショナル・データベースおよびSQLの理解」や「データベース表の作成および変更」が入っています。ただし Bronze で問われるのは基礎の範囲で、SQL を深く問う試験は別に Silver SQL が用意されています。
ORACLE MASTER Bronze に有効期限はありますか?
オラクル認定資格ガイドラインで有効期間が定められているのは、Oracle Cloud Infrastructure(24か月)や Oracle Cloud Applications(18か月)の認定資格で、ORACLE MASTER は挙げられていません。ただし、取得した版の名前(2019 や 26ai)は資格名に残るため、新しい版の知識を示したいときは上位資格や新しい版で更新していく形になります。
試験の結果はどこで確認できますか?
合否結果とスコアレポートは、オラクルの CertView で確認します。CertView に登録する氏名はローマ字表記である必要があり、そうでないと受験時に本人確認ができないと公式は注意しています。初めて受ける人は、予約前に登録内容を確かめてください。
まとめ
ORACLE MASTER Bronze は、2019 版も 26ai 版も120分・70問・合格ライン65%で、主な違いはマルチテナント前提の出題と、入れ替わった分野(インストールなどが外れ、バックアップの概要などが加わった)にあります。19c の現場にいるなら 2019 版、使うバージョンが決まっていないなら 26ai 版を選ぶと、学んだ知識を無駄にせずに済みます。版が決まったら、まずピアソンVUEで受験日の候補を押さえ、その日から逆算して学習を始めてください。2019 版を選んだ人なら、SkillStack では Bronze DBA 2019(1Z0-085-JPN)対応の練習問題集①〜⑤を全問無料で解けるので、本番と同じ出題数の70問で自分が何問取れるかを最初の週に測っておくと、残りの学習時間を見積もりやすくなります。
参考サイト
- Oracle University Japan「Bronze DBA Oracle Database Fundamentals (1Z0-085-JPN) 試験」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「Bronze DBA Oracle AI Database 26ai Fundamentals (1Z0-185-JPN) 試験」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「ORACLE MASTER 2019」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「ORACLE MASTER Oracle AI Database 26ai」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「ORACLE MASTER Portal」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「認定試験一覧(日本語試験)」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「配信終了試験一覧(日本語試験)」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「新着ニュース・お知らせ」価格改定(2026/6/1)・Java 認定試験の提供予定(2026/9/7)(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「新着ニュースのアーカイブ」ORACLE MASTER Oracle AI Database 26ai リリースのお知らせ(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「受験チケット」と「Exam Subscription」について(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「試験のお申込みと受験」(取得日: 2026年10月7日)
- Oracle University Japan「オラクル認定資格ガイドライン」(取得日: 2026年10月7日)
