「今から Security+ の勉強を始めて、受かる頃に試験が変わっていたらどうしよう」。そんな不安を抱えている人に、日付で答えます。CompTIA Security+ の新版 SY0-801(V8)は、2026年11月17日に英語版の配信が始まる予定です。現行の SY0-701(V7)は、CompTIA の公式ロードマップで2027年6月11日が提供終了日とされています。
ただし、日本語で受ける人にとって大事なのは「日本語版がいつ出るか」です。V8の日本語版の配信日は、2026年10月22日時点で公式に発表されていません。つまり日本語で受ける人は、当面 V7 を受けることになります。
この記事を読み終えると、V7とV8の出題比率の違いと、新しく加わった AI 関連の出題項目が具体的に分かります。そのうえで、受験予定の時期と言語から「V7とV8のどちらを受けるか」を自分で決められるようになります。
Security+ V8(SY0-801)はいつから?公式発表の要点
結論から言うと、英語版V8の配信開始予定日は2026年11月17日です。CompTIA の V8 ページには「11月17日前後にローンチ予定」とあり、日本語の Security+ ページにも「2026年11月17日に英語試験/教材のリリースを予定」と書かれています。
CompTIA が公開している製品ロードマップには、提供予定日がもう少し細かく載っています(ロードマップ自体も「日付は変わる可能性がある」と断っています)。現時点で確認できる日付を並べると、次のとおりです。
| 項目 | 日付 | 出典 |
|---|---|---|
| V8 プレビュー提供(Preview Availability) | 2026年10月20日 | CompTIA 製品ロードマップ |
| V8 の一般提供(General Availability)予定 | 2026年11月17日 | CompTIA 製品ロードマップ |
| V8 英語試験のリリース予定 | 2026年11月17日(前後) | V8 ページ・日本語 Security+ ページ |
| V7(SY0-701)の提供終了(Previous Version Retirement Date) | 2027年6月11日 | CompTIA 製品ロードマップ |
| V8 日本語版の配信開始 | 未発表 | — |
ロードマップは対応言語に日本語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語などを挙げています。ただし、日本語版の配信日は書かれていません。V8ページの対応言語も、今は英語だけです。V7の日本語ページの終了予定も「2027年を予定」という書き方で、日付は出ていません。
試験の形式は変わらない
問題数・時間・合格ラインはV7と同じです。最大90問、90分、合格ラインは100〜900のスコアで750以上。出題形式も、選択式とパフォーマンスベーステスト(PBQ)の組み合わせのままです。
推奨経験は「セキュリティ管理者として2年の実務経験」で、これも受験資格ではなく目安です。形式が同じだからこそ、差は中身に出ます。では、どの分野の比重が動いたのでしょうか。
出題比率はどう変わった?V7とV8の5分野を比較
最も大きく動いたのは「プログラム管理と監督」で、20%から14%へ6ポイント下がりました。代わりに「全般的なセキュリティ概念」が12%から16%へ上がっています。V7とV8の公式の出題範囲PDFを並べると、5分野の出題比率は次のとおりです。得点の配分ではなく、試験全体に占める割合です。
| 分野 | V7(SY0-701) | V8(SY0-801) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 1.0 全般的なセキュリティ概念 | 12% | 16% | +4pt |
| 2.0 脅威・脆弱性(V7は「緩和策」、V8は「攻撃」) | 22% | 24% | +2pt |
| 3.0 セキュリティアーキテクチャ | 18% | 19% | +1pt |
| 4.0 セキュリティ運用 | 28% | 27% | −1pt |
| 5.0 セキュリティプログラム管理と監督 | 20% | 14% | −6pt |
分野名にも変化があります。第2分野は V7 の「Threats, Vulnerabilities, and Mitigations」から、V8 では「Threats, Vulnerabilities, and Attacks」に変わりました。V7で第2分野にあった「緩和策(mitigation techniques)」の小項目はV8の第2分野から消え、第4分野に 4.1「環境を守るための緩和策・技術・ソリューションを適用する」が置かれています。新旧の対応表は公式に示されていないため、関連内容の一部が4.1へ再編されたと読むのが妥当です。
数字で言えば、第5分野が6ポイント下がり、第1〜3分野が合わせて7ポイント上がりました。とはいえ、比率の表を眺めただけでは「何を新しく覚えるのか」までは見えません。V8で増えた小項目を、出題範囲PDFからもう一段掘ります。
V8で新しく加わった項目|AIの脅威が独立した小項目に
V8で最も分かりやすい新項目は、2.6「AIの利用に伴う脅威と脆弱性を要約する」です。V7の出題範囲には、AIを主題にした小項目はありませんでした。V8の2.6には、次の13項目が並んでいます。
- モデル操作(Model manipulation)、ポイズニング(Poisoning)、プロンプトインジェクション(Prompt injection)
- データ損失(Data loss)、バイアス(Bias)、説明可能性(Explainability)、ハルシネーション(Hallucinations)
- ジェイルブレイク(Jailbreaking)、回避(Evasion)、プライバシー(Privacy)、倫理的配慮(Ethical considerations)
- セッションハイジャック(Session hijacking)、コード実行(Code execution)
AIは守る側の道具としても登場します。4.6「自動化とオーケストレーション」には、AIの能力として「エージェント型(Agentic)」「チャットボット」「予測分析」「AIで補強したベースライン」が加わりました。攻撃面と運用面の両方からAIが問われる構成です。
小項目の数は28から27へ
小項目(1.1、1.2…)の数を数えると、V7の28個に対してV8は27個です。分野ごとの内訳は次のとおりです。
| 分野 | V7の小項目数 | V8の小項目数 | 主な動き |
|---|---|---|---|
| 1.0 全般的なセキュリティ概念 | 4 | 3 | V7の1.1「管理策の種類」と1.2「基本概念」に当たる内容が、V8では1.1「セキュリティ概念と管理策」の1項目に並ぶ |
| 2.0 脅威・脆弱性・攻撃 | 5 | 6 | 2.6 AIの脅威と脆弱性を新設。緩和策の項目は第4分野へ |
| 3.0 セキュリティアーキテクチャ | 4 | 4 | 小項目数は同じ |
| 4.0 セキュリティ運用 | 9 | 8 | 4.6 自動化の項目にAIの能力(エージェント型など)を追加 |
| 5.0 プログラム管理と監督 | 6 | 6 | 小項目数は同じで、出題比率は20%→14% |
脅威の侵入経路(2.3)の例にも、新しい語が見えます。RCS(Rich Communication Services)、QRコード、OT(制御技術)経由の攻撃です。ゼロトラストも、V7の「ゼロトラスト」から V8 では「ゼロトラストの原則」「ゼロトラストアーキテクチャ」と書き分けられています。
英語版の出題範囲PDFでは、AIの13項目がすべて英語の用語で並んでいます。日本語の参考書で学ぶ人ほど、こうした新しい用語の取りこぼしが起きやすいところです。
誰に影響するのか|受験予定者と取得済みの人
影響が大きいのは、2027年6月11日より後に英語で受ける予定の人です。この人たちはV8を受けるしかないので、AIの新項目を含めて準備する必要があります。
日本語で受ける予定の人は、日本語版V8の配信日が出るまでV7を受けることになります。参考までに、V7は英語版が2023年11月、日本語版が2024年4月23日の配信開始でした。V7の日本語ページにそう書かれています。V8の日本語版の時期は公式に発表されていないので、この間隔をそのまま当てはめることはできません。
すでに Security+ を持っている人は、試験版の切り替えで認定を失うことはありません。CompTIA は、Security+ の認定は合格日から3年間有効で、継続教育(CE)プログラムでさらに3年延長できると説明しています。V7で取った認定も、有効期間内なら同じ Security+ です。
今どう動くべきか|受験時期×言語の判断表
答えは「いつ」「何語で」受けるかの2つで決まります。予定どおりなら、2026年11月17日から2027年6月11日までは、英語でV7とV8のどちらも受けられる期間になります。
| あなたの状況 | 受ける試験 | 今やること |
|---|---|---|
| 日本語で、半年以内に受けたい | V7(SY0-701) | V7の出題範囲で学習を続ける。V8を待つ理由は今のところない |
| 日本語で、2027年以降にゆっくり受けたい | 未定(日本語版V8の発表待ち) | V7とV8で共通する分野(運用・アーキテクチャ)から始め、日本語版の発表を確認する |
| 英語で、2027年6月11日までに受ける | V7かV8を選べる | V7の教材が揃っているならV7。AIの新項目まで学ぶ時間があるならV8も選択肢 |
| 英語で、2027年6月11日より後に受ける | V8(SY0-801) | V8の出題範囲PDFを通しで確認する。とくに新設の2.6 AIの脅威と、4.6 自動化のAI項目 |
| 取得済みで、更新を考えている | — | 有効期限とCEの単位を確認する。試験版の切り替えだけで再受験は不要 |
どちらを受けるにしても、土台は共通です。セキュリティ運用(V7 28%/V8 27%)とアーキテクチャ(18%/19%)の合計は、V7・V8ともに46%で変わりません。国内のセキュリティ資格と並行して学ぶなら、情報処理安全確保支援士の難易度と登録制度も試験範囲の重なりを考える材料になります。
よくある質問
V8の日本語版はいつ受けられますか?
2026年10月22日時点で、公式な配信日は発表されていません。CompTIA のロードマップは対応言語に日本語を挙げていますが、日付の記載はありません。日本語で受ける人は、当面V7が受験対象です。
V7で勉強した内容はV8で無駄になりますか?
無駄にはなりません。V8の5分野の名前はV7とほぼ同じで、試験の形式も最大90問・90分・750点以上で変わりません。V8を受ける場合は、新設の2.6 AIの脅威や4.6のAI項目に加え、脅威の侵入経路(2.3)の新しい例など、V8の出題範囲全体で差分を確認してください。
受験料は変わりますか?
V8ページには、2026年10月22日時点で受験料の記載がありません。受験料の変更は公式に発表されていないため、申し込み前に CompTIA の購入ページで確認してください。
V7で取った認定はV8の開始後も有効ですか?
有効です。Security+ の認定は合格日から3年間有効で、試験版が切り替わっても失効しません。更新はCEプログラムで行い、50 CEU を満たす方法などが用意されています。
まとめ
試験が変わる知らせを聞くと、勉強の手が止まりがちです。けれど日本語で受ける人にとって、受ける試験は当面V7のまま。英語で受ける人も、予定どおりなら2027年6月11日まではV7を選べます。V8の差分で目立つのは、AIの脅威(2.6)と自動化へのAI追加(4.6)、それに出題比率の組み替えです。まずは自分の受験時期と言語を判断表に当てはめ、どちらの出題範囲で進めるかを今日のうちに決めてしまいましょう。英語の用語が多いAIの新項目は一度で覚えきれないので、SkillStack の間違えた問題を間隔をあけて出し直す復習機能のような仕組みに任せると、試験日までに抜けを減らせます。
参考サイト
- CompTIA Security+ V8(取得日: 2026年10月22日)
- CompTIA Product Roadmap(取得日: 2026年10月22日)
- CompTIA Security+(日本語ページ)(取得日: 2026年10月22日)
- CompTIA Security+ V7(日本語ページ)(取得日: 2026年10月22日)
- CompTIA Security+ SY0-801 V8 Exam Objectives(取得日: 2026年10月22日)
- CompTIA Security+ SY0-701 V7 Exam Objectives(取得日: 2026年10月22日)
- How long does the CompTIA Security+ certification last?(CompTIA)(取得日: 2026年10月22日)
