「年明けに受ければいいか」——基本情報技術者試験の勉強法を調べ始めた人ほど、この前提でつまずきます。CBT方式の基本情報技術者試験は2026年12月28日以降に休止する予定で、最終開催日は12月27日。今日(10月5日)から数えると、残りはちょうど12週間です。
結論を先に言うと、勉強の順番は「科目Bの擬似言語トレースを先に始め、科目Aの暗記を後から重ねる」が軸になります。科目Aは知識なので後半の追い込みでも点が伸びますが、科目Bの処理を追う力は、毎日少しずつでないと伸びないからです。
読み終えるころには、12月27日から逆算した週単位の予定表、科目Bを1問5分で解くための練習手順、プログラミング経験やITパスポート合格の有無で変わる学習ルートが手元にそろいます。年内に間に合わない人向けに、再開や新制度を待つ間に何を進めるべきかも分けて示します。
まず受験日を決める——12月27日の壁と、10月5日時点で分かっていること
勉強法より先に決めるべきは、受験日です。IPAは基本情報技術者試験を含むCBT方式の3区分について、2026年12月28日以降の試験実施を休止するとしています。2027年1月以降の実施は「2026年秋頃にウェブページでお知らせ」する予定ですが、2026年10月5日時点で、IPAの新着情報と試験ページにその告知は出ていません。
年内ルートで押さえる3つの申込ルール
年内に受けるなら、次の3点を申込前に確認してください。どれもIPAが公表している内容です。
- 選べる試験日の範囲:基本情報技術者試験は、2026年9月1日以降の申込で「申込日から2026年12月27日までの試験開催日」から選びます。
- 会場ごとの最終日:試験開催日は会場によって異なり、12月27日より前に実施を終える会場もあります。空席がなく最後の開催日までに受験できなくても、受験手数料(7,500円・税込)は返還されません。
- 再受験までの間隔:一度受験すると、次に指定できるのは前回の受験日の翌日から数えて30日を超えた日以降です。
3つ目は勉強計画に直結します。11月26日に受験すると、再受験で選べるのは最短で12月27日。年内に2回挑戦したいなら、1回目は11月中旬までに受けるのが現実的です(11月15日受験なら12月16日以降を選べます)。ただし再受験の日に、通える会場で試験が開かれているとは限りません。休止の全体像はITパスポート・基本情報の休止と最終開催日にまとめています。
試験の形式と合格基準(公式情報)
| 項目 | 科目A | 科目B |
|---|---|---|
| 試験時間 | 90分 | 100分 |
| 出題数 | 60問(評価は56問) | 20問(評価は19問) |
| 形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 多肢選択式 |
| 内訳 | テクノロジ・マネジメント・ストラテジの知識 | アルゴリズムとプログラミング16問/情報セキュリティ4問 |
| 合格基準 | 600点以上(1,000点満点) | 600点以上(1,000点満点) |
合格には、科目Aと科目Bの両方で600点以上が必要です。2つの科目は同じ日に続けて受け、間に最長10分の休憩を取れます。採点はIRT(項目応答理論)に基づくため、「60問中36問正解で合格」のような配点の換算はできません。片方が600点に届かなければ不合格、という点だけは確実に押さえておきましょう。
ここまで読んで「12週で範囲を一周し、演習まで回せるのか」と不安になった人は多いはずです。実際、計画倒れの原因になりやすいのは、問題演習の量と進み具合を自分で管理しきれないことです。どの分野を何問解き、どこで間違えたのかが見えないまま、週末に「今週は何をやったっけ」と振り返る——ここから立て直す方法を、次の章で週単位に落とします。
12月27日から逆算する12週間ロードマップ
12週間を4つのフェーズに分け、科目Bを第2週から毎日触る設計にします。下の表は平日1時間・休日3時間(週11時間)を想定した、編集部の目安です。12週で合計約130時間になります。
| 週 | 期間 | 科目Aでやること | 科目Bでやること |
|---|---|---|---|
| 第1週 | 10/5〜10/11 | IPAのサンプル問題で60問を時間を計って解く | サンプル問題20問を解き、解けた問題数を記録。受験日を申し込む |
| 第2〜5週 | 10/12〜11/8 | テクノロジ系から参考書を1周。章ごとに問題を解く | 擬似言語の記法を覚え、毎日1〜2問をトレース表付きで解く |
| 第6〜9週 | 11/9〜12/6 | 公開問題と過去問で演習。間違えた用語だけノート化 | 公開問題を本番と同じ1問5分で解く。週末に20問通し演習 |
| 第10〜12週 | 12/7〜12/27 | 正答率の低い分野だけを集中補強 | 間違えた問題の解き直しと、100分通しの最終演習 |
2回挑戦する場合は、第8週(11/23〜11/29)の前半に1回目を入れます。11月26日までに受ければ、再受験の候補日が12月27日までに収まります。1回で決める場合は、第12週の前半に受験日を置き、会場の最終日が早いときは計画全体を前に詰めてください。
「科目Aを先に1周」をやめる理由
よくある順番は「科目Aの参考書を通読してから科目Bへ」です。12週しかない今年は、これを勧めません。このロードマップでは、慣れるまで反復が要る科目Bを第2週から毎日少しずつ進め、科目Aは並行して1周したうえで後半に弱点を補強する設計にしています。週末にまとめて3時間より、平日に20分ずつ触れるほうが、トレースの手順を忘れずに済みます。
もう一つの理由は、科目Aの知識が科目Bを助ける範囲が限られていることです。科目Bの16問はアルゴリズムとプログラミング。配列・ループ・条件分岐を追えるかどうかが勝負で、科目Aの暗記量とは別の力が問われます。
科目Bの擬似言語は「トレース表」で練習する——1問5分の手順
科目Bの16問を占めるアルゴリズムとプログラミングでは、変数の値を紙に書いて追う「トレース」の正確さと速さが得点を大きく左右します。IPAは科目Bのサンプル問題(20問セット)と、年度ごとの公開問題を出しています。教材はこれを軸にし、1問ずつ次の手順で練習してください。
トレース練習の4ステップ
- 問われているものを先に読む:選択肢と空欄の位置を見てから、プログラムを読む。何を追えばよいかが決まります。
- 変数を列にした表を作る:横に変数名(i、j、配列の中身など)を並べ、ループが1回進むたびに1行書き足す。
- 小さい入力で動かす:配列が10要素あっても、まず3要素で追う。規則が見えたら残りは推測で確かめる。
- 答え合わせは「どの行でずれたか」まで:正解かどうかではなく、自分の表と正しい値が分かれた行を特定する。
4つ目を省くと、同じ種類のミスを繰り返します。たとえば「ループの終了条件が i < n か i ≦ n か」で1行ずれる人は、別の問題でも同じ場所でずれる。ずれた行を書き残しておくと、第10週以降の補強リストがそのまま作れます。
1問5分を基準に、20問100分を割り振る
100分で20問なので、単純平均は1問5分です。編集部の目安としては、情報セキュリティ4問を1問3分(計12分)で解き、アルゴリズムとプログラミング16問に1問5分(計80分)、残り8分を見直しに回す配分を勧めます。セキュリティを1問3分としたのはこの記事の仮置きです。第1週のサンプル問題で実際にかかった時間を測り、自分の数字に置き換えてください。
練習では、1問に7分かけても進まなければ印を付けて次へ進む癖をつけます。20問のうち評価に使われるのは19問ですが、どれが評価対象外かは受験者には分かりません。1問に固執して最後の数問を時間切れで落とすより、いったん先へ進んで最後に戻るほうが取りこぼしを減らせます。
経験別の学習ルート——ITパスポート合格者、プログラミング経験者、未経験者
12週のロードマップは共通でも、どこに時間を寄せるかは出発点で変わります。下の表の時間はすべて編集部の目安で、IPAが公表している数字ではありません。
| あなたの出発点 | 時間を寄せる場所 | 12週での配分の目安(科目A:科目B) |
|---|---|---|
| IT未経験・プログラミング未経験 | 擬似言語の記法と、2進数などの基礎理論 | 4:6 |
| ITパスポート合格済み・プログラミング未経験 | 科目Bのトレース。科目Aはテクノロジ系の深掘りに絞る | 3:7 |
| プログラミング経験あり(業務・学習) | 科目Aのマネジメント・ストラテジ系と、擬似言語特有の書き方 | 6:4 |
| 科目A免除を使う | 科目Bのみ。100分通し演習を週1回以上 | 0:10 |
プログラミング経験者が落としやすいのは、普段の言語と擬似言語の違いです。配列の添字が1から始まるかどうか、問題ごとの注記で確認せずに0始まりで追うと、1つずれた選択肢をそのまま選びます。サンプル問題の擬似言語の記述形式を、最初に一度読んでおいてください。
科目A免除制度を使うかの判断
IPAが認定した講座を修了し、修了試験に合格すると、科目Aが1年間免除されます。免除を使えば12週すべてを科目Bに充てられますが、これから講座を探す場合は、修了試験の日程と12月27日までの受験日が両立するかを先に確認してください。すでに免除資格を持っている人は、免除の有効期限が休止期間中に切れないかも見ておくと安心です。
年内に間に合わない人の勉強法——再開と新制度を待つ間にやること
12週では足りない、または会場の空きが取れない。その場合も、勉強を止める必要はありません。IPAは2027年度春頃から基本情報技術者試験を新しい試験制度で始める予定で、現行制度は2026年度の試験実施をもって終了する予定としています。2027年1月から3月に現行試験が実施されるかどうかは、10月5日時点で未発表です。
待つ間の優先順位は、はっきりしています。IPAの検討資料では、新制度の基本情報も科目A 90分・60問、科目B 100分・20問で、科目A免除制度も変更を予定していないとされています。9月30日に出たシラバス案でも、科目Bは擬似言語を扱うと書かれています。
- 続けてよいもの:擬似言語のトレース練習、整列・探索などのアルゴリズム、基礎理論の計算問題
- 深追いを控えるもの:科目Aの用語の細かい暗記。シラバス案は Ver.0.1 で変更の可能性があり、重点分野や用語例の差分が確定するまでは、細部の暗記に時間を寄せすぎないほうが安全です
- 定期的に見るもの:IPAの試験ページと新着情報。2027年1月以降の実施案内と、新制度のサンプル問題の公開
新制度で重点になる分野や新しい用語は、基本情報・SGの新シラバス案で整理しています。科目Bの力は新旧どちらの試験でも土台になるので、待つ期間を「トレースの貯金期間」と考えると予定が立てやすくなります。
よくある質問
基本情報技術者試験の勉強時間は何時間必要ですか
IPAは公式の目安時間を出していません。この記事のロードマップは週11時間・12週で約130時間を想定していますが、これは編集部の目安です。第1週にサンプル問題を解き、科目Bで何問取れたかを見て、時間を増やすか判断してください。
プログラミング未経験でも科目Bに合格できますか
科目Bで使うのは特定のプログラミング言語ではなく、試験用の擬似言語です。記述形式はIPAが公開しており、公開問題の冊子にも掲載されています。特定の言語の文法知識は前提になりませんが、配列・分岐・繰返しを追う練習は欠かせません。差がつくのはトレースに慣れているかどうかなので、第2週から毎日1〜2問を続けることが近道です。
合格率はどのくらいですか
IPAの統計では、令和7年度の合格率は38.3%でした。月ごとに数ポイント動くため、一つの数字で難易度を判断しないほうが安全です。月別の推移は基本情報技術者の月別合格率で確認できます。
不合格だったら、すぐに再受験できますか
すぐにはできません。再受験で指定できるのは、前回の受験日の翌日から数えて30日を超えた日以降です。休止前にもう一度受けたいなら、1回目を11月26日までに受ける必要があります。
まとめ
12週間は、範囲を一周して演習を回すには短く、諦めるには長い期間です。まず今週中に、通える会場で選べる最後の日付を確かめ、サンプル問題の科目Bを20問だけ解いてみてください。何問取れたかで、年内ルートか待つルートかの判断材料がそろいます。トレースで「なぜこの行で値が変わるのか」が腑に落ちないときは、SkillStackのAI質問にその問題のまま聞けば、解説を読み返す時間を短くできます。12月27日は動きませんが、今日からの1問は確実に積み上がります。
参考サイト
- IPA「CBT方式で実施するITパスポート試験、情報セキュリティマネジメント試験及び基本情報技術者試験における2026年5月以降の試験実施について」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「基本情報技術者試験」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「試験要綱 Ver.5.6」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「スケジュール、手数料など」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験の通年試験に関するお知らせ(サンプル問題セット、リテイクポリシーの公開)」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「問題冊子・解答例(2026年度、令和8年度)」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「統計情報(基本情報技術者試験)」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「科目A試験免除制度 基本情報技術者試験(FE)」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「新試験制度のシラバス案について」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「基本情報技術者試験 シラバス(案)Ver.0.1」(取得日: 2026年10月5日)
- IPA「情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について」(取得日: 2026年10月5日)
