「基本情報技術者の合格率って、結局いま何%なのか」——調べるたびに47%だったり38%だったりして、どれが今の数字なのか分からない。数字がばらつく理由は2つあります。年度によって水準が違うこと、そして通年CBTになって単月の合格率も公表されるようになったことです。
2026年8月21日、IPAが令和8年(2026年)7月実施分までの統計を公表しました。7月の合格率は41.3%。受験者9,922人に対して、合格者は4,098人です。
ここでは公表されたばかりの月別データをそのまま並べ、4月の33.4%から7月の41.3%まで8ポイント近く動いた4か月分を比較し、数値から確認できる範囲を整理します。「自分はいつ申し込むのが妥当か」を、雰囲気ではなく数字で決めるための材料として使ってください。
2026年7月の合格率は41.3%|IPAが8月21日に公表した最新データ
令和8年度の基本情報技術者試験は、4月から7月までの4か月で16,955人が合格しました。累計の合格率は38.5%です。月別に並べると、次のようになります。
| 実施月 | 応募者数 | 受験者数 | 受験率 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 16,489人 | 12,765人 | 77.4% | 4,262人 | 33.4% |
| 2026年5月 | 13,013人 | 11,489人 | 88.3% | 4,628人 | 40.3% |
| 2026年6月 | 11,229人 | 9,849人 | 87.7% | 3,967人 | 40.3% |
| 2026年7月 | 11,618人 | 9,922人 | 85.4% | 4,098人 | 41.3% |
| 4〜7月累計 | 52,349人 | 44,025人 | 84.1% | 16,955人 | 38.5% |
IPAの統計でいう合格率は、応募者ではなく受験者に対する合格者の割合です。申し込んだのに受けなかった人は分母から外れます。だから受験率の列も一緒に見る価値があります。7月は応募11,618人のうち9,922人が実際に受験し、1,696人が受けていません。
7月単月で見ると、前年より合格率は上がっている
前年の同じ月と比べると、数字は悪くありません。令和7年7月は受験者10,513人・合格者4,254人で合格率40.5%。令和8年7月は41.3%ですから、0.8ポイント上向きです。応募者数は12,360人から11,618人へ6.0%減っていますが、受けた人の通過率は落ちていません。
7月は前年同月とほぼ同水準です。浮いているのは4月。合格率33.4%は、この表の中で明らかに低い。しかも受験率も77.4%と、他の月より8〜11ポイント下です。次の章で、この月の数字を並べ直します。なお、月別合格率はその月に受験した集団の結果であり、個人の準備状況との因果は統計からは分かりません。判断材料にすべきなのは、自分の科目A・科目Bが今どこまで仕上がっているかのほうです。
月ごとに8ポイント動く合格率|4月33.4%と7月41.3%の落差を分解する
令和8年度の4月は、応募が急に増えた月でした。16,489人は前年同月比で24.2%増。5月以降は前年割れ(5月-1.6%、6月-16.4%、7月-6.0%)が続いているので、4月だけが突出しています。
その4月の受験率は77.4%。過去4年の4月を並べると、令和5年93.1%、令和6年84.8%、令和7年85.4%、そして令和8年77.4%です。申し込んだ人の22.6%が受験していない——令和5〜7年度のどの4月よりも高い未受験割合です。
そして合格率33.4%。5月40.3%、6月40.3%、7月41.3%と比べると7〜8ポイント低い水準です。応募が増え、受験率が下がり、合格率も下がった——3つの数字が同じ月に揃っています。
データが言っていることと、言っていないこと
IPAはこの4月の落ち込みについて、理由を公表していません。ですから「新年度で勢いだけの受験者が増えたから」といった説明は、この記事では断定しません。統計から言えるのは次の2点です。
- 令和8年度の基本情報は、月によって合格率が33.4%〜41.3%の幅で動いた(最大7.9ポイント差)
- 令和8年度の4〜7月だけを見ても、単月の値には最大7.9ポイントの幅がある。「基本情報の合格率は約○%」と一つの数字で語ると、この幅が消える
受験を検討する側にとっての実用的な含意は、こうです。合格率は年度平均を見る指標であって、自分の合否を予測する数字ではない。通年CBTの基本情報では、いつ受けるかを自分で選べます。選べるということは、準備が整った時点を自分で決められるということでもあります。
年度で見ると47.1%→38.3%|ITパスポート・情報セキュリティマネジメントとの距離
年度単位で並べると、基本情報の合格率は令和5年度から令和7年度にかけて下がっています。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 121,611人 | 57,278人 | 47.1% |
| 令和6年度 | 133,732人 | 54,501人 | 40.8% |
| 令和7年度 | 147,186人 | 56,370人 | 38.3% |
| 令和8年度(4〜7月の途中集計) | 44,025人 | 16,955人 | 38.5% |
令和5年度から令和7年度で8.8ポイント下がりました。令和8年度の38.5%は令和7年度通年との差が0.2ポイントですが、こちらは4か月分の途中集計です。年度が進めば動きます。受験者数のほうは令和5年度の121,611人から令和7年度の147,186人へ、2年で2万5千人以上増えました。母集団が広がる一方で、通過率は40.8%・38.3%と4割前後で推移しています。
同じ通年CBTの3試験を、令和8年度4〜7月の累計で横に並べると差がはっきりします。
| 試験区分 | 応募者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| ITパスポート | 81,831人 | 71,997人 | 35,997人 | 50.0% |
| 情報セキュリティマネジメント | 14,544人 | 13,143人 | 9,561人 | 72.7% |
| 基本情報技術者 | 52,349人 | 44,025人 | 16,955人 | 38.5% |
受験手数料はどれも7,500円(税込)で同額です。同じ金額を払って、通過率は38.5%から72.7%まで開きます。情報セキュリティマネジメントの72.7%が高く見えますが、受験者は4か月で13,143人と基本情報の3分の1以下。受ける人の層が違うので、難易度の単純比較にはなりません。
基本情報の38.5%が意味するのは、受験者の61.5%が不合格=科目A・科目Bの少なくとも一方が基準点に届いていないということです。科目Aは60問90分、科目Bは20問100分。どちらも1,000点満点で基準点は600点、IRT(項目応答理論)で評価点が算出されます。片方だけ良くても合格にはなりません。
いつ申し込むか|通年CBTだからこそ決めておきたい4つの分岐
基本情報はCBT方式で随時実施されるため、受験日は自分で選べます。ただし一度受けると、次に指定できる受験日は前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降です。「とりあえず受けて雰囲気を見る」を繰り返すと、そのつど7,500円がかかり、次の受験日は31日目以降になります。
状況別に、動き方を整理しました。なお科目A・科目Bの評価点はIRTで算出されるため、手元の演習の正答率と評価点は同じ尺度ではありません。下表の正答率は学習上の目安として扱ってください。
| いまの状態 | おすすめの動き | 根拠 |
|---|---|---|
| 科目A・科目Bとも演習が一通り終わり、正答率が安定してきた | 2〜3週間先の日程で申し込む | 日程を確定させたほうが仕上げの優先順位が決まる |
| 科目Aは手応えがあるが、科目Bのアルゴリズム・情報セキュリティが半分以下 | 申し込む前に科目Bへ時間を寄せる | 科目A・科目Bとも基準点600点。片方だけ高得点でも不合格になる |
| 学習を始めたばかり | 公式のサンプル問題で両科目の現在地を測ってから日程を決める | 科目Bの負荷は事前に見えにくい |
| 一度不合格になった直後 | 次の受験日は31日目以降になる前提で計画を組む | リテイクポリシー上、連続受験はできない |
もう一つ、時期を考えるうえで押さえておきたい材料があります。情報処理技術者試験は2027年度に新制度へ移行する予定で、応用情報・高度試験の再編とプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)などの新設が検討されています。基本情報技術者試験は継続予定で、科目Aの出題範囲体系の変更と科目Bの一部変更が示されています(いずれもIPAが2026年3月31日に公表した検討状況による)。制度の全体像は情報処理技術者試験の2027年度刷新でどこが変わるかにまとめています。
時間が取れないなら、机に向かう時間だけを学習時間と考えるのをやめる手もあります。科目Aはテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3分野から60問。反復がそのまま点になる部分が大きい科目です。スマホでのスキマ時間学習の組み立て方も、通勤や休憩を演習量に変える現実的な方法として使えます。
よくある質問
基本情報技術者試験の合格率は結局どれを見ればいいですか
足元の状況を見るなら直近の月別合格率、試験の難度感をつかむなら年度単位の数字が向いています。令和8年度は7月時点で単月41.3%、4〜7月累計38.5%です。ただし令和8年度4〜7月の月別値だけでも最大7.9ポイントの幅があるため、特定の月が有利・不利という読み方はできません。受験日は準備の仕上がりと日程の都合で決めるのが妥当です。
合格率が令和5年度から下がったのはなぜですか
IPAは合格率の変動理由を公表していません。統計から言えるのは、令和5年度47.1%から令和7年度38.3%へ8.8ポイント下がったこと、令和8年度は4〜7月の途中集計で38.5%であることだけです。受験者数は同じ期間に121,611人から147,186人へ増えています。
不合格だった場合、すぐに再受験できますか
できません。再申込で指定できる受験日は、前回の受験日の翌日から起算して30日を超えた日以降と定められています。受験手数料は再受験でも7,500円(税込)が必要です。
ITパスポートから受けたほうがいいですか
合格率だけを見ればITパスポート50.0%、基本情報38.5%(いずれも令和8年度4〜7月)と差がありますが、受験者層が違うため難易度の直接比較にはなりません。手数料はどちらも7,500円です。判断材料は、必要としている資格のレベル、学習に充てられる期間、そして科目Bのアルゴリズム・プログラミングにどこまで踏み込めるかの3点になります。
まとめ
2026年7月の基本情報技術者試験の合格率は41.3%、令和8年度の4〜7月累計では38.5%。直近3年度の年度値は47.1%・40.8%・38.3%です。同じ令和8年度の中でも、月別の値は33.4%から41.3%まで開きます。この幅を知っていれば、「今月は合格率が低いから不利」といった読み方に振り回されずに済みます。
通年CBTの基本情報で効くのは、受験月選びよりも科目Aと科目Bの両方を基準点に乗せることです。どちらの手当てが先かを決める目安になるのが、解いた問題の分野別の正答率です。SkillStackは分野ごとの正答率を出すので、次の1週間をどちらに使うかの見当がつきます。まずは手元の1問から、いまの立ち位置を測ってみてください。
参考サイト
- IPA 統計情報(基本情報技術者試験)(取得日: 2026年8月21日)
- IPA 統計情報(情報セキュリティマネジメント試験)(取得日: 2026年8月21日)
- IPA ITパスポート試験 統計情報(取得日: 2026年8月21日)
- IPA 基本情報技術者試験(試験区分の説明)(取得日: 2026年8月21日)
- IPA スケジュール、手数料など(取得日: 2026年8月21日)
- IPA 通年試験に関するお知らせ(サンプル問題セット、リテイクポリシーの公開)(取得日: 2026年8月21日)
- IPA 情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士試験の見直しの検討状況について(取得日: 2026年8月21日)
