Google Cloud の Professional 認定に、選択式試験に受かるだけでは取れないものが加わります。新設される Professional Agentic Architect のベータ登録は、2026年9月3日に開きます。認定の条件は、Pearson が配信する約80問の試験と、Google Skills 上のハンズオンラボの両方を完了すること。片方だけでは認定されません。
もうひとつ、見落とすと痛い数字があります。公式の認定ページが示す有効期限は1年。Professional Cloud Architect の2年の半分です。受験料はベータ価格で120ドル(定価200ドルの40%引き)、言語は英語のみ。
この記事を読み終えるころには、9月3日に登録ボタンを押すべきか、それとも見送って GA(一般提供)を待つべきかを、自分の経験年数と使える時間から判断できます。公式ページに書かれていないこと——ベータ登録の締切、ラボの期間、日本語化の予定——も、書かれていないという事実ごと押さえておきます。
9月3日にベータ登録が開く——Agentic Architectで何が新設されるのか
新設されるのは、Google Cloud 上で自律的に動く AI エージェントのワークフローを設計・運用する技術者向けの Professional 認定です。公式ページは対象像を、大規模言語モデル(LLM)を扱い、エージェントの設計パターンを適用し、コードを書き、データソースを統合してきた開発者・アーキテクトと定義しています。信頼性・性能・コスト・セキュリティ・スケーラビリティを踏まえて組めるか、が問われる領域です。
ベータ版の試験仕様は公式ページで確定しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ベータ登録開始 | 2026年9月3日 |
| 受験料 | 120ドル(定価200ドルから40%引き・別途税) |
| 試験時間 | 3時間 |
| 問題数 | 約80問(多肢選択・複数選択) |
| 配信 | Pearson(オンライン監督またはテストセンター) |
| 言語 | 英語 |
| 前提資格 | なし |
| 推奨経験 | クラウドソリューションの構築・テスト・デプロイ・運用の実務経験3年以上。うち Google Cloud でのエージェント構築が1年以上 |
| 有効期限 | 1年 |
| 結果通知 | 試験ウィンドウとラボウィンドウの両方が閉じてから4〜6週間 |
選択式試験だけでは認定されない
この認定は2つのパーツでできています。ひとつは Pearson が配信する選択式試験で、概念の理解・システム設計の判断・アーキテクチャの標準を測ります。もうひとつが Google Skills 上のハンズオンラボで、実際に手を動かして組めるか、コードが書けるかを見ます。公式ページは、認定を得るには両方の完了が必要だと明記しています。
つまり、問題集を回して選択肢の正誤を覚えるだけの準備では、半分しか埋まりません。ここが従来の Google Cloud 認定と決定的に違うところです。エージェント開発の経験が1年に届いていない人ほど、ラボ側で時間を取られます。何を先に固め、何を後回しにするか——この順番を間違えると、3時間の試験より先に準備で息切れします。
誰に影響するのか——受けるべき人・見送るべき人
結論から言えば、9月3日に飛び乗る価値が大きいのは「すでに Google Cloud でエージェントを作っている人」です。それ以外の人は GA(一般提供)を待つほうが割に合う——というのが編集部の見立てです。判断材料を条件別に並べます。
| あなたの状況 | 9月3日に登録すべきか | 理由 |
|---|---|---|
| Google Cloud でエージェントを1年以上構築している | 登録する | 推奨経験に合致。80ドル安く、落ちても通常試験の受験上限(Professionalは2年間で4回)を消費しない |
| Google Cloud 経験はあるがエージェント開発は未経験 | 見送る | ラボで実装力を直接見られる。選択式の暗記では埋まらない |
| 英語での受験に不安がある | 見送る | ベータは英語のみ。日本語提供の予定は公式に発表されていない |
| すぐに認定の証明が必要(転職・案件応募) | 見送る | 結果通知は両ウィンドウ終了後4〜6週間。合否が出る時期を自分で決められない |
| Google Cloud 認定そのものが初めて | 見送る | Professional は前提資格こそ無いが、推奨経験が3年以上。まず下位の認定から |
ベータ受験の一番のうまみは、値引きよりも受験回数の扱いにあります。公式ヘルプセンターは、ベータの受験は1人1回に限られる一方、不合格でも通常試験の上限——Professional は2年間で4回——を消費しないと説明しています。しかもベータに合格すれば、GA 版に合格したのと同じ認定が得られます。かかるのは受験料120ドルと、試験3時間+ラボと準備の時間。減らないのは受験枠のほうです。
これから Google Cloud 認定を始める人は、Google Cloud認定資格の一覧と取得順で全体像を掴んでから、自分の現在地を決めるほうが早道です。
既存のProfessional認定と何が違うか——有効期限1年という設計
同じ Professional でも、Agentic Architect は設計思想が違います。看板である Professional Cloud Architect と、公式ページ同士を突き合わせるとはっきりします。
| 項目 | Professional Cloud Architect | Professional Agentic Architect(ベータ) |
|---|---|---|
| 試験時間 | 2時間 | 3時間 |
| 問題数 | 50〜60問 | 約80問 |
| ハンズオンラボ | なし | あり(合格に必須) |
| 受験料 | 200ドル | 200ドル(ベータは120ドル) |
| 言語 | 英語・日本語 | 英語のみ |
| 有効期限 | 2年 | 1年 |
目を引くのは有効期限です。Professional Cloud Architect は2年で、更新試験に合格すればさらに2年が積み増されます。Agentic Architect は1年です。Google はこの期限設定の理由を公表していません。エージェント周辺のプロダクトが動き続けている領域だから、というのは編集部の推測にとどめます。確かなのは、取ったら1年後にまた向き合うということ。そのコストまで含めて受験を決める話になります。
試験範囲そのものは、公式サイトで試験ガイド(英語PDF)が公開されています。学習パス側の Google Skills には「詳しい登録情報と試験ガイドは9月上旬に」という案内が残っていますが、ガイドの本体は認定ページからすでに参照できる状態です。範囲を確認したい人は学習パスではなく認定ページから辿ってください。
なお、ベータ登録の締切日、選択式試験のウィンドウ、ラボのウィンドウの期間は、現時点で公式に発表されていません。GA の時期についても同様です。Google Cloud PCAの難易度と出題範囲と比べながら、確定している数字だけで判断するのが安全です。
今どう動くべきか——9月3日までにやる3つのこと
やることは3つだけです。順番も決まっています。
- 試験ガイド(英語PDF)を認定ページから開き、「読めば分かるが自分では作れない」テーマに印を付ける。ラボがある以上、この差がそのまま結果に出ます。印が目立つようなら、今回は見送って GA を待つ判断もあります。
- Google Skills の学習パス(13アクティビティ)で、エージェント関連のサービスを実際に触っておく。公式は、この学習パスが試験ガイドの全トピックを網羅するわけではないと断っています。認定ラボと同じ環境である保証もありません。範囲を埋める目的ではなく、手を動かした回数を増やす目的で使います。
- 9月3日に認定ページの登録導線を確認する。公式表記は「9月3日」までで、開始時刻もタイムゾーンも締切も発表されていません。開いたら早めに押さえておくほうが安全でしょう。バウチャーはベータ受験にも使えます。
逆に、急がなくていいこともあります。対策教材を探すことです。2026年8月31日時点で、この認定について公式が推奨する教材は確認できません。第三者の解説を読むときは、出典と更新日を必ず確かめてください。判断の軸は認定ページと試験ガイドに置くのが安全です。
よくある質問
ベータに落ちたら、GA版の受験回数は減りますか?
減りません。Google Cloud のヘルプセンターは、ベータ試験の不合格が通常試験の受験上限にカウントされないと明記しています。Professional 認定の上限は2年間で4回です。なお、ベータの受験機会は1人1回に限られます。
ベータに合格した場合、GA版を受け直す必要はありますか?
必要ありません。公式ページは、ベータでも GA でも合格すれば Google Cloud Certified - Professional Agentic Architect になれると説明しています。認定の扱いに差はつきません。
日本語で受験できるようになりますか?
2026年8月31日時点で、日本語提供の予定は公式に発表されていません。ベータの言語は英語のみと明記されています。Professional Cloud Architect のように英語・日本語の両方で提供される認定もあるため、GA 時に追加される可能性はありますが、現時点では未確定です。
結果はいつ分かりますか?
公式ページによれば、選択式試験のウィンドウとラボのウィンドウが両方とも閉じてから4〜6週間後です。ヘルプセンターは、ベータの答案はベータ期間の終了後にまとめて採点され、参加者へ同時に通知されると説明しています。各ウィンドウの期間は公表されていないため、通知時期を今から逆算することはできません。
まとめ
9月3日は、Google Cloud の認定が「知っているか」から「作れるか」へ軸足を移した日として振り返られるかもしれません。ただ、その最初の1回に乗るべきかは腕次第です。エージェントを実際に組んでいるなら、80ドル引きで受験枠も減らない今回は乗る理由があります。まだ触れていないなら、ラボが待っている以上、急いで飛び込む必要はありません。判断に迷ったら、試験ガイドを開いて「作れない」に印を付けてみてください。答えはそこに出ます。まずは Cloud Digital Leader あたりで Google Cloud の土台を作り直すと決めた人なら、SkillStack の分野別正答率を見て、崩れている分野だけを先に潰していくやり方が使えます。
参考サイト
- Google Cloud「Professional Agentic Architect Certification」(取得日: 2026年8月31日)
- Cloud Certification Help「Beta Certification Exams」(取得日: 2026年8月31日)
- Google Cloud「Professional Cloud Architect Certification」(取得日: 2026年8月31日)
- Cloud Certification Help「Retake Policy」(取得日: 2026年8月31日)
- Google Skills「Professional Agentic Architect Certification 学習パス」(取得日: 2026年8月31日)
- Cloud Certification Help「Certification Renewal Options」(取得日: 2026年8月31日)
