Microsoftのベータ試験は、80%オフのコードで受けられます。実例として、AZ-802のベータでは「先着300人・2026年7月22日までの受験」を条件に割引コードが公開されました。8割引きは、資格試験の割引としてはかなり大きい部類です。
ただし引き換えに、待ち時間が長くなります。ベータの結果はその場で出ません。試験が正式版として公開されてから約10日後、受験のタイミング次第では14週間かかることもあるとMicrosoftは明記しています。
この記事では、Microsoftが公開しているベータ試験の規定を整理し、AWSのベータとの違いを条件ごとに比較します。AZ-802を例に、合格したときに起きる有効期限の扱いまで確認します。
80%割引は「先着・期間限定」で配られる
Microsoftのベータ割引は、誰でも自動的に適用されるものではありません。仕組みはこうです。
Microsoftは「妥当で信頼できる評価のために約400人のベータ受験者が必要」だとしており、そのために3〜4週間の枠で割引席を限定提供します。80%オフのコードはMicrosoft Learnブログで告知され、先着順。埋まるのが早い、とMicrosoft自身が書いています。
AZ-802の場合、条件は具体的でした。2026年7月8日のブログで、最初の300人が2026年7月22日までに受験すれば80%オフというコードが公開されました。この300人はベータ試験全体の定員ではなく、割引の対象人数です。告知から期限までは約2週間でした。
割引枠を逃しても、対象地域の受験者であれば定価でベータ自体は受けられます。またMicrosoftは、割引コードを使って受験した人に対し、再採点の完了後に次回試験で使える25%オフのバウチャーを送るとしています。ただしこれは割引コードを使った場合の特典で、自費や他のバウチャーで支払った人は対象外です。
ここまでは金銭的に有利な話です。問題はその後、結果を待つ期間にあります。
結果が出るまで最大14週間かかる
Microsoftのベータは、受験直後にスコアが出ません。採点モデルがまだ確定していないためです。
Microsoftの説明はこうです。スコアが届くのは、試験が世界的に公開(ライブ化)されてから約10日後。そのライブ化はベータ期間の開始から約10〜12週間後にあたります。したがって「ベータ期間のどのタイミングで受験したかによっては、スコアを受け取るまで14週間かかることもある」と案内されています。
この間、合否は分かりません。結果とデータの統計分析、設問ごとの出来の評価、受験者が残したコメントの読み込みまで含めた工程を経るためだと説明されています。
もうひとつ、日程が予定どおりに進むとは限りません。AZ-802のブログは「この認定の一般提供は2026年8月を予定」と告知していましたが、2026年9月2日時点でもMicrosoft Learnの認定名には「(beta)」が付いたままです。ベータ期間の終わりは、告知よりずれることがあります。
AWSのベータと何が違うのか
同じ「ベータ試験」でも、AWSとMicrosoftでは設計思想が違います。並べると差がはっきりします。
| 項目 | AWS | Microsoft |
|---|---|---|
| 割引 | 標準価格から割引(2026年9月2日時点の2試験は半額) | 80%オフのコード。逃した場合は定価 |
| 割引の対象人数 | 記載なし | 先着で限定(AZ-802は300人) |
| 割引の期間 | ベータ提供期間内 | 3〜4週間の枠に限定 |
| 結果が出るまで | 受験後5営業日以内 | ライブ化の約10日後。最大14週間 |
| ベータの受験回数 | 1回のみ | ベータ期間中は1回のみ |
| 不合格後の再受験 | 正式版の一般提供を待つ | ライブ化を待つ。以降は通常ポリシー(24時間→14日、12か月で5回まで) |
| 合格の扱い | 正式版と同じ認定 | 認定要件を満たす。正式版を受け直す必要なし |
| 特典 | 試験により早期取得バッジ | 割引コード利用者に次回25%オフのバウチャー |
いちばん実感が違うのは結果通知でしょう。AWSは5営業日で合否が分かるのに対し、Microsoftは数か月単位で待ちます。転職活動や社内の期限に資格を間に合わせたい人にとっては、大きな判断材料になります。AWS側の規定はAWSのベータ試験の5つのルールで詳しく扱っています。
一方、不合格後にすぐ受け直せない点は両社で同じです。AWSもMicrosoftも、ベータで落ちたら正式版の提供を待つことになります。違うのはその先で、Microsoftはライブ化後の再受験から通常ポリシー(初回不合格から24時間、以降は14日、12か月で最大5回)に乗ります。回数の上限がある点はAWSと異なります。
地域による制限がある
もうひとつAWSにない条件が地域制限です。Microsoftのベータ試験のポリシーページは、中国・インド・パキスタン・トルコに所在する受験者はセキュリティ上の理由でベータ試験に参加できないと記載しています。一方でAZ-802のブログは、同じ4か国について「この割引は利用できない」と書いています。記述が一致していませんが、一般ポリシー上はベータ試験そのものに参加できないと読むのが安全です。該当地域から受験する予定がある人は、申し込み前にMicrosoftへ確認してください。
AZ-802で注意したい「有効期限のリセット」
すでに認定を持っている人には、見落とすと損をする点があります。
AZ-802は、AZ-800とAZ-801を1本に統合した試験です。旧2試験は2026年9月30日に廃止され、その後はAZ-802が唯一の取得経路になります。認定の名称も「Windows Server Hybrid Administrator Associate」から「Windows Server Administrator Associate」へ変わりました。
Microsoftは、既存の認定保有者に追加対応は不要だと明記しています。AZ-802がライブ化すれば、認定名は自動的に新しいものに変わります。ただし注意書きが続きます。AZ-802に合格すると、認定の有効期限が「合格した日から1年」にリセットされます。既存の有効期限から1年延びるのではありません。
つまり有効期限がまだ十分残っている保有者がAZ-802を受けると、条件によっては期限が手前に動くことがあります。急いで受ける理由がないなら、この点を確認してから日程を決めてください。Microsoft認定の廃止スケジュール全体はMicrosoft資格2026年大改定のまとめで整理しています。
よくある質問
ベータに合格したら、正式版を受け直す必要はありますか
ありません。Microsoftは「認定パスのベータ試験に合格すれば、それが認定にカウントされる。最終版の試験を受け直す必要はない」と説明しています。ただし認定によっては、ほかの試験の合格も必要になる場合があります。
ベータの教材はありますか
限られます。Microsoftは「ベータ試験の前に何らかのトレーニング教材を用意することを目指しているが、常に可能とは限らない」と書いています。AZ-802も2026年9月2日時点でトレーニングの提供はなく、Practice Assessmentも未提供です。Practice Assessmentは通常、試験がベータを終えて一般提供されてから8週間以内に用意されるとされています。
ベータの割引席を取りやすくする方法はありますか
MicrosoftはSME(Subject Matter Expert)向けのLinkedInグループへの登録を挙げています。登録者にはブログ掲載分とは別のコードが案内され、対象人数が少ないぶん席を確保できる確率が高いとしています。ただし応募多数の場合は抽選になります。
ベータの受験料はいくらですか
試験が実施される国や地域によって価格が異なるとMicrosoftは案内しており、AZ-802の認定ページにも一律の金額は掲載されていません。80%オフのコードは、その地域の定価に対して適用されます。
いまAZ-802は受けられますか
2026年9月2日時点でAZ-802はベータとして案内されており、Pearson VUE経由で申し込めます。試験時間は120分、合格点は700、実施言語は英語のみです。なお80%オフのコードは2026年7月22日までの受験が条件だったため、現在は定価での受験になります。
まとめ
Microsoftのベータに申し込む前に、確認したいことが3つあります。1つ目は所在地です。中国・インド・パキスタン・トルコにいる受験者は、ベータへの参加自体が認められていません。2つ目はスコアが必要な時期。結果が届くのは試験のライブ化から約10日後で、受験のタイミングによっては14週間かかります。3つ目は既存認定の有効期限で、AZ-802に合格すると期限が合格日から1年にリセットされるため、残りが長い人ほど前倒しになる可能性があります。この3点が問題なければ、8割引きは素直に大きな利点です。ちなみに結果を待つ数か月は手が空きます。SkillStackはAzure Fundamentals(AZ-900)の250問を全問無料で開放しているので、その期間を次の領域の学習にあてられます。
参考サイト
- About beta Certification exams(Microsoft Learn・取得日: 2026年9月2日)
- Exam retake policies(ベータの再受験規定。Microsoft Learn・取得日: 2026年9月2日)
- Microsoft Certified: Windows Server Administrator Associate (beta)(Microsoft Learn・取得日: 2026年9月2日)
- New exam for Microsoft Certified: Windows Server Administrator Associate Certification(Microsoft公式ブログ・2026年7月8日/取得日: 2026年9月2日)
- AWS認定 受験前のポリシー(比較用・ベータの規定。AWS公式・取得日: 2026年9月2日)
- AWS認定 受験後のポリシー(比較用・結果通知と再受験。AWS公式・取得日: 2026年9月2日)
- AWS Certified AI Business Strategist(比較用・ベータ価格と早期取得バッジ。AWS公式・取得日: 2026年9月2日)
- AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate(比較用・ベータ価格。AWS公式・取得日: 2026年9月2日)

