「PL-200、まだ受けられますか?」——PL-200の廃止日は2026年8月31日です。その日に止まるのは試験だけではありません。認定そのものと、保有者向けの更新アセスメントまで、同じ日に一斉に終わります。
影響を受けるのは、これから受験する人だけではありません。すでにPL-200に合格して認定を持っている人こそ、動くべき期限が決まっています。「有効期限が来たら更新すればいい」——その常識は、この資格には通用しません。
この記事を読み終えたとき、あなたは廃止スケジュールと後継AB-410の中身を把握したうえで、「いま受ける」「後継に乗り換える」「更新を急ぐ」のどれを選ぶべきかを決められます。判断の土台はMicrosoftの公式発表、線引きの目安はSkillStack編集部の見解として、はっきり分けて示します。
PL-200の廃止は2026年8月31日|試験・認定・更新が同じ日に止まる
Microsoftが終了させるのは、PL-200という試験番号ひとつではありません。試験・認定・更新アセスメントの3点が、同じ日付でまとめて廃止されます。認定ページには、この日以降はこの認定を取得することも更新することもできなくなる、と明記されています。
| 廃止されるもの | 内容 | 廃止日時 |
|---|---|---|
| 試験 PL-200 | Microsoft Power Platform Functional Consultant | 2026年8月31日 23:59(中部標準時) |
| 認定 | Microsoft Certified: Power Platform Functional Consultant Associate | 2026年8月31日 |
| 更新アセスメント | 上記認定の保有者が受ける無料の更新試験 | 2026年8月31日 |
PL-200は単独で切られたわけではありません。Power Platform系の認定は2026年に入ってから連続で整理されており、Power Platform Solution Architect Expert(PL-600)とPower Automate RPA Developer Associate(PL-500)は、すでに2026年6月30日で廃止済みです。この2つには後継認定が用意されていません。Microsoftは公式の廃止一覧で、PL-600・PL-500の欄に「新しい認定の予定なし」と記載しています。PL-200に後継が示されているのは、むしろ恵まれた側です。
一方で、Power Platform Fundamentals(PL-900)、Power BI Data Analyst Associate(PL-300)、Power Platform Developer Associate(PL-400)は、Microsoftが公開している廃止予定リストに載っていません。PL系がまるごと消えるわけではない、という点は押さえておいてください。
問題は、廃止と後継が同時に動くときに起きます。教材を買い直すべきか、いまの勉強を続けていいのか、そもそも自分は受験対象なのか——判断材料がバラバラだと、手が止まったまま8月が終わります。範囲が入れ替わる局面では、参考書を選ぶより先に「どの分野に何%の配点があるか」を数字で掴んだほうが早い。まずは後継試験の中身から見ます。
後継はAB-410|「業務コンサルタント」からAIアプリの作り手へ
PL-200の移行先はAB-410「Building Intelligent Applications」で、対応する認定はMicrosoft Certified: Intelligent Applications Builder Associateです。これはメディアの推測ではなく、Microsoftが公式の廃止一覧でPL-200の「関連する新資格」としてAB-410を挙げ、さらに「受験が近くない段階なら、代わりにAB-410の準備をするよう強く推奨する」と明記しています。AB-410はベータとトレーニングが2026年4月に開始され、同年6月に正式提供へ移行しました。
役割の定義も変わりました。PL-200が要件をヒアリングしてローコードで業務ソリューションを構成する「機能コンサルタント」だったのに対し、AB-410はCopilotや自然言語プロンプト、エージェントを組み込んだAIアプリを作る人を想定しています。
出題は3分野です。「インテリジェントアプリの基盤づくり」が25〜30%、「インテリジェントアプリの作成」が25〜30%、「業務ロジックと自動化の構築」が40〜45%。配点の4割強がロジックと自動化に寄っており、その中にAI Hubでのプロンプト作成やAIモデルの呼び出しが含まれます。Dataverseのデータモデリング、モデル駆動アプリ、キャンバスアプリ、Power Automateのクラウドフローという土台はPL-200から引き継がれています。
| 項目 | PL-200(廃止) | AB-410(後継) |
|---|---|---|
| 認定名 | Power Platform Functional Consultant Associate | Intelligent Applications Builder Associate |
| 試験時間 | 100分 | 120分 |
| 合格点 | 700点 | 700点 |
| 出題言語 | 日本語を含む7言語 | 英語のみ |
| 中心テーマ | 要件定義・ローコードでの業務ソリューション構成 | Copilot・エージェント・AIモデルを組み込んだアプリ開発 |
| 受験可能期間 | 2026年8月31日まで | 継続 |
日本の受験者にとって効くのは、最後から2番目の行です。AB-410は現時点で英語でしか提供されていません。日本語で受けられるうちにPL-200を取り切るか、英語で後継に挑むか。この差が、後半で示す判断フローの分かれ目になります。
いきなり本試験はきつい、という人向けの入り口も用意されています。Microsoft Applied Skillsの「Build an agent-first app」は、Copilot Studioのエージェントを組み込んだアプリを作れるかを見る短期の資格で、Microsoftはこれを AB-410 に至る道筋の一部と位置づけています。2026年6月から提供されています。
上位職には、AB-100「Agentic AI Business Solutions Architect」というエキスパート認定があります。受験にはアソシエイト認定を1つ以上保有していることが条件で、AB-410はその条件を満たせる認定の一つです。ただしMicrosoftは、AB-100を廃止対象認定の直接の置き換えではないと明言しています。PL-600など廃止されたエキスパート認定の保有者に対して「次の一歩」として案内されている、という位置づけです。
保有者の落とし穴|「期限が来たら更新」ではPL-200の認定を守れない
すでにPL-200に合格している人が最も損をしやすいのが、更新のタイミングを読み違えるパターンです。廃止のニュースを「これから受ける人の話」と受け流すと、手元の認定が静かに失効します。
前提として、Microsoftのロールベース認定は取得から12か月で期限が切れ、更新はMicrosoft Learn上の無料アセスメントに合格する方法しかありません。しかもこの更新アセスメントは、期限の6か月前にならないと受けられない仕組みです。「早めに更新しておく」が原理的にできない期間があります。
ここに廃止日が重なります。PL-200の更新アセスメントも8月31日で終了するため、有効期限が9月以降に設定されている人でも、更新のチャンスは8月31日までしかありません。Microsoft自身、廃止日が有効期限より前に来る場合は「廃止前に更新するよう」案内する運用に変えたと説明しています。
廃止日までに更新できれば、認定の期限はそこから1年延びます。ただし、その次はありません。更新の窓が閉じた後は、期限を迎えた時点で認定はプロフィールの「Active Certifications」から外れ、「Historical Certifications」へ移動します。取得した記録が消えるわけではありませんが、有効な資格としては扱われなくなる。ここが、廃止をめぐる情報で最も誤って伝わりやすい部分です。
あなたはどう動くべきか|状況別・4タイプの判断フロー
結論は、あなたが今どの位置にいるかで変わります。下の表で自分の行を探してください。
| あなたの状況 | 8月31日までにできること | 推奨アクション |
|---|---|---|
| PL-200に合格済み・認定が有効 | 更新アセスメントの受験(期限の6か月前から) | Learnプロフィールで「Renew」ボタンの有無を今すぐ確認。出ていれば8月中に消化する |
| 学習中で、8月中に受験枠を取れる | PL-200の受験・合格 | 日本語で受けられる最後の機会。予約を先に押さえ、既存の教材のまま走り切る |
| 学習中だが、8月中の合格は現実的でない | 実質なし | PL-200の対策を打ち切り、AB-410へ切り替える。Dataverse・キャンバスアプリ・クラウドフローの学習はそのまま活きる |
| これからPower Platformを学び始める | — | PL-900で土台を作り、AB-410へ進む。廃止対象の教材に時間を使わない |
迷いやすいのは2行目と3行目の境目です。ここからはSkillStack編集部の目安になりますが、線引きの材料は2つあります。ひとつは実務経験。Dataverseのテーブル設計とセキュリティロール、キャンバスアプリのPower Fx、クラウドフローの分岐処理を業務で触ったことがあるなら、残り数週間でも仕上げは効きます。もうひとつは現在地の数字。公式の練習問題を解いて正答率が5割に届かないなら、短期決戦に賭けるより、AB-410の範囲へ切り替えたほうが時間の投資は回収できます。
この判断には、Microsoft自身の見解も添えておきます。公式FAQは「すでに受験を申し込んでいるなら、そのまま準備して受けてよい。ただし不合格でも再受験はできず、更新もできない」「まだ申し込んでいないなら、代わりに新しい試験を準備することを強く推奨する」と、申込済みかどうかで案内を分けています。
受験を選ぶ場合、締切の解釈にも注意してください。公式表記は「8月31日 23:59(中部標準時)」で、日本時間では9月1日の日中に相当します。とはいえ試験会場の空き状況とオンライン受験の当日トラブルを考えると、8月最終週に賭けるのは危険です。実質的な期限は8月中旬だと考えて動いてください。
PL-900は残る|廃止ラッシュでも消えない土台
PL系が次々に整理されるなかで、PL-900(Power Platform Fundamentals)は廃止予定リストに入っていません。それどころか、Microsoftは2026年6月にPL-900のトレーニングを1日完結型に刷新し、AI対応の内容に合わせて試験にも軽微な変更を入れています。畳むのではなく、作り直して残した資格です。しかもFundamentals系の認定には有効期限がなく、更新アセスメントを毎年通す必要もない。Microsoftも公式FAQで「Fundamentals認定は期限切れしない」と明言しています。今回のような「更新の窓が閉じる」問題が構造的に起きない資格です。
今回の再編は、Power Platformだけの話ではありません。Dynamics 365の営業ロールではMB-280がAB-210へ、Azureの開発者ロールではAZ-204が置き換えられ、いずれも「AIとエージェントを前提にした役割」へ定義し直されています。全体像はMicrosoft資格2026年の廃止と後継の総まとめで確認できますし、Azure開発者ロールで何が起きたかはAZ-204廃止と後継AI-200への移行が具体例になります。
SkillStackでもPL-900は収録資格の一つで、全問無料で演習できます。廃止の波に左右されにくいところから固めたい人には、現実的な出発点になります。
よくある質問
PL-200は8月31日を過ぎても受験できますか?
できません。廃止日を過ぎるとPearson VUEでの予約自体が不可能になります。廃止日までに合格した分は認定として有効になるため、受験を選ぶなら予約を先に確保してください。
PL-200の認定を持っていると、AB-410は免除や割引になりますか?
なりません。旧認定から新認定への自動移行や試験の一部免除は用意されておらず、AB-410は通常どおり受験して合格する必要があります。ただし学習内容は大きく重なるため、ゼロからのやり直しにはなりません。
すでに持っているPL-200の認定は、廃止後どう扱われますか?
有効期限までは有効な認定として残ります。期限が切れると、プロフィール上で「Historical Certifications」の欄に移動し、有効な資格としては扱われなくなります。廃止後は更新アセスメントも受けられないため、期限切れは回避できません。
AB-410はいつ日本語で受験できるようになりますか?
Microsoftは日本語版の提供予定を公表していません。時期が読めない以上、英語での受験を前提に準備しておくのが安全です。学習ガイドは公式サイトで公開されているので、範囲の把握だけでも先に進められます。
PL-900やPL-300も廃止されますか?
2026年8月時点で、PL-900・PL-300・PL-400はMicrosoftの廃止予定リストに掲載されていません。ただしリストは随時更新されるため、受験前に公式ページの警告表示を確認する習慣をつけておくと安心です。
まとめ
PL-200の廃止は、受験予定者よりも保有者にとって重い変更です。試験・認定・更新アセスメントが2026年8月31日に同時に止まる以上、「期限が来たら更新する」という通常運転では認定を守れません。まずはLearnプロフィールを開いて更新ボタンの有無を確かめる。受験を狙うなら、日本語で受けられる最後の枠を8月中旬までに押さえる。切り替えるなら、Dataverseとクラウドフローの土台を活かしてAB-410の範囲へ移る。勤務先の要件や英語での受験可否といった事情はあるにせよ、取るべき行動は多くの場合この3つに整理できます。
そして再編が落ち着くまでの間、有効期限のないPL-900で足場を固めておく手もあります。SkillStackならPL-900は全問無料なので、通勤中の10分から範囲の当たりをつけられます。
参考サイト
- Microsoft Learn|試験 PL-200: Microsoft Power Platform Functional Consultant(取得日: 2026年8月9日)
- Microsoft Learn|Microsoft Certified: Power Platform Functional Consultant Associate(取得日: 2026年8月9日)
- Microsoft Learn|Credential retirement(取得日: 2026年8月9日)
- Microsoft Learn|Microsoft Certified: Intelligent Applications Builder Associate(取得日: 2026年8月9日)
- Microsoft Learn|Study guide for Exam AB-410: Building Intelligent Applications(取得日: 2026年8月9日)
- Microsoft Learn|Renew your Microsoft Certification - FAQ(取得日: 2026年8月9日)
- Microsoft Community Hub(The Skills Hub Blog)|The AI job boom continues: Build the skills that move business forward(取得日: 2026年8月9日)
- Microsoft Learn|Exam AB-100: Agentic AI Business Solutions Architect(取得日: 2026年8月9日)
