Python試験の合格者に届いていた紙の認定証が、まもなく無くなります。一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会は2026年8月1日、「紙の認定証を段階的に廃止します。」と発表しました。区切りは2026年9月1日の受験分。それ以降に受けた人には、紙ではなくオープンバッジが届きます。
合格実績が消えるわけではありません。証明の形が、封筒からメールに変わるだけです。ただし「紙の原本を勤務先に出す必要がある」人にとっては、8月31日が事実上の締切になります。
この記事を読み終えたとき、あなたは自分が8月中に駆け込むべきかを判断でき、9月以降に受けた場合にバッジがいつ手元に届くかまで逆算できる状態になります。対象となる5試験の内訳も、公式発表の記述どおりに整理しました。
9月1日受験分から紙の認定証は発行されない|対象は5試験
基準は合格発表日でも申込日でもなく、受験日です。公式発表は対象を「9月1日受験分から紙の認定証を廃止する試験」と明示しています。8月31日に受験して9月に合格を知った場合は、紙の認定証が発行される側に入ります。
対象となるのは次の5試験です。入門試験だけは扱いが異なり、ベータ試験を含む全ての試験回が対象。つまり入門試験には、もともと紙の認定証がありません。
| 試験名 | 紙の認定証 | 受験料(税別) |
|---|---|---|
| Python 3 エンジニア認定入門試験 | 全試験回で発行なし(ベータ試験を含む) | ベータ試験のため公式サイト参照 |
| Python 3 エンジニア認定基礎試験 | 9月1日受験分から廃止 | 10,000円(学割5,000円) |
| Python 3 エンジニア認定実践試験 | 9月1日受験分から廃止 | 12,000円(学割6,000円) |
| Python 3 エンジニア認定データ分析試験 | 9月1日受験分から廃止 | 10,000円(学割5,000円) |
| Python 3 エンジニア認定データ分析実践試験 | 9月1日受験分から廃止 | 12,000円(学割6,000円) |
試験そのものは何も変わりません。出題範囲、問題数40問、合格ライン70%、オデッセイコミュニケーションズのCBTテストセンターで通年受験できる方式——ここに手は入っていません。変わったのは合格後に届くものだけです。
代わりに届く「オープンバッジ」とは
採用されたのは、一般財団法人オープンバッジ・ネットワークが発行するデジタル証明です。バッジの画像そのものに発行者や取得者の情報が埋め込まれ、受け取った側が真正性を確認できる仕組みになっています。紙をスキャンしただけの画像とは、この点が違います。
受け取り方も公式に示されています。受験月の翌々月10日までに、受験時に登録したメールアドレス宛にバッジが届くという運用です。合格した翌日に手元に来るものではない、という点は押さえておく必要があります。
制度の変更点を追いかけることと、試験に受かることは別の話です。範囲を一通り読んだつもりでも、いざ問題を解くと手が止まる。この差を埋める作業だけは、誰も代わってくれません。
影響するのは「これから受ける人」だけ|取得済みの認定はどうなる
すでに紙の認定証を持っている人は、何もする必要がありません。今回の発表は今後の発行方法についてのもので、過去の合格者から認定を取り上げる内容は含まれていません。手元の認定証はそのまま有効な証明として使えます。
一方で、過去の合格者にさかのぼってオープンバッジを配る、という記述も公式発表にはありません。「紙をもらった人がバッジも追加でもらえるのか」は、現時点で公式に発表されていない事項です。気になる場合は協会または申込先のオデッセイコミュニケーションズへ問い合わせるのが確実です。
影響を受けるのは、次の2種類の人に絞られます。
- 9月1日以降に受験する人——認定証は紙ではなくオープンバッジで届く
- 紙の原本を提出する予定がある人——8月31日受験分が最後のチャンスになる
後者は意外と多い場面です。社内の資格手当申請で認定証のコピー添付を求められる、専門学校や大学の単位認定に原本提示が要る、といったケース。デジタルバッジのURLやPDFで代替できるかは、提出先の運用次第です。資格手当が付くIT資格の申請ルールは会社ごとに差が大きいため、就業規則の該当箇所を先に確認しておくと判断が早くなります。
紙が必要かで動き方が変わる|8月31日までに受けるべき人
結論から言えば、多くの人は急ぐ必要がありません。急ぐべきなのは「紙でなければ通らない手続き」を抱えている人だけです。自分がどちらかを、次の表で確かめてください。
| あなたの状況 | 8月31日までに受験するか | 判断の理由 |
|---|---|---|
| 認定証の原本を勤務先・学校に提出する予定がある | 急ぐ | 9月1日受験分からは紙が発行されない |
| 資格手当の申請にコピー添付が要る | 提出先に確認してから決める | バッジのURLやPDFで代替可能なら急ぐ理由が消える |
| 職務経歴書やSNSで示せれば十分 | 急がない | 検証可能なオープンバッジのほうが証明として扱いやすい |
| 学習がまだ範囲の半分も終わっていない | 急がない | 紙のために落ちれば10,000円と時間を失う |
4行目を軽く見ないでください。基礎試験は40問中28問の正解で合格しますが、逆に言えば13問落とせば不合格です。締切に追われて準備不足のまま受け、再受験でもう10,000円を払う——紙の認定証と引き換えにするには、割に合わない出費です。
9月以降に受ける人向け・バッジ到着の逆算表
「受験月の翌々月10日まで」という公式の記載を、そのままカレンダーに落とすとこうなります。転職活動や社内申請でバッジを示したい人は、この期限から逆算して受験月を決めることになります。
| 受験した月 | バッジが届く期限 |
|---|---|
| 2026年9月 | 2026年11月10日 |
| 2026年10月 | 2026年12月10日 |
| 2026年11月 | 2027年1月10日 |
最大で2か月強のずれが出ます。9月に受験した人のバッジは11月10日までの到着なので、確実に提示できるのは11月中旬から。転職の書類選考にバッジをぶつけるつもりなら、この2か月を見込んで受験月を逆算してください。
LPI-Japanも8月に対象を拡大|資格証明はデジタルへ動いている
この動きはPython試験だけのものではありません。LPI-Japanは2026年8月3日、デジタルバッジの発行対象を拡大し、有意な認定を保有するすべての認定者を対象にしたと公表しました。それ以前は2026年4月1日以降に認定を取得した人に限られていた仕組みです。
LPI-JapanはLinuCやHTML5プロフェッショナル認定試験を運営する団体で、対象拡大は既存の認定保有者にも及びます。Python試験が「これから出すものをデジタルにする」方向なのに対し、LPI-Japanは「すでに持っている人にもデジタルを配る」方向。入口は違いますが、向かう先は重なります。LinuCとLPICの違いを検討している人は、証明の受け取り方まで含めて比較材料が増えたことになります。
紙をやめる理由を各団体が説明しているわけではありません。発表されているのは事実だけです。ただ、受け取る側から見れば、郵送を待たずに済み、URLひとつで真正性を示せる形式に寄っていることは確かです。
よくある質問
8月31日に受験して9月に合格した場合、紙の認定証はもらえますか
公式発表は「9月1日受験分から」と受験日を基準に区切っています。8月31日の受験であれば、廃止の対象外です。合否が判明する時期は基準になっていません。
オープンバッジが届かない場合はどうすればいいですか
バッジは受験時に登録したメールアドレス宛に届きます。受験月の翌々月10日を過ぎても届かない場合は、まず迷惑メールフォルダを確認し、そのうえで協会または申込先のオデッセイコミュニケーションズに問い合わせてください。登録メールアドレスの誤りが原因になることもあります。
紙の認定証とオープンバッジで、資格としての価値は変わりますか
合格の事実と資格そのものに違いはありません。変わるのは証明の受け取り方だけです。むしろオープンバッジは発行者情報が埋め込まれていて第三者が検証できるため、画像の真偽を判断できない紙のコピーより扱いやすい場面もあります。
試験の出題範囲や受験料は今回変わりますか
今回の発表は認定証の発行方法に関するもので、出題範囲・問題数・合格ライン・受験料の変更は含まれていません。基礎試験は40問・合格ライン70%、受験料10,000円(税別、学割5,000円)のままです。
まとめ
「紙が無くなる」と聞くと損をした気分になりますが、実際に動く必要があるのは、原本提出という手続きを抱えた一部の人だけです。あなたがそこに当てはまらないなら、9月1日という日付は無視してかまいません。準備が整った月に受ければいいだけの話です。逆に当てはまるなら、8月31日までのCBT枠を今日押さえてください。
そして、どちらの人にも共通して残る課題は変わりません。40問中28問を取れる状態まで持っていくことです。合格までの距離を縮めるのは結局のところ解いた問題数で、SkillStackでは間違えた問題が間隔をあけて再出題されるため、通勤の10分でも取りこぼした論点から潰していけます。締切に追われて受けるより、解ける状態で受けるほうが、紙よりずっと確実に手元に残ります。
