「応用情報って、もう1日で終わらないの?」——そのとおりです。令和8年度(2026年度)から、応用情報技術者試験・高度試験・情報処理安全確保支援士試験はCBT方式に移行し、科目A群と科目B群が別の日に実施されます。前期の応用情報なら、科目Aが10月28日から、科目Bは11月24日から。最短でも14日空きます。
高度試験なら午前Ⅰから午後Ⅱまで、応用情報なら午前と午後を、1日で走り切る形は令和7年度で終わりです。代わりに、受験日を自分で選ぶ設計になりました。
この記事を読み終えるころには、自分がどの期に申し込むべきか、いつ何を予約するのか、そして「科目A群の結果を知った状態で科目B群に臨める」という今回いちばん大きな変化を、どう学習計画に組み込むかまで判断できる状態になります。数字と日付は、IPAの公表資料と受験者ポータル(CBT-Solutions)で確認したものです。
前期の申込は10月6日10時から——区分別の日程一覧
まず押さえるべきは、申込開始が2026年10月6日(火)10時だという一点です。ただし締切は区分で違います。応用情報は11月7日17時まで、高度試験と支援士試験は10月24日17時まで。2週間以上の差があるので、高度を狙う人ほど早めに動く必要があります。
| 試験区分 | 申込受付期間 | 科目A群 | 科目B群 |
|---|---|---|---|
| 応用情報技術者(AP) | 10/6 10時〜11/7 17時 | 10/28〜11/10 | 11/24〜12/6 |
| 高度試験(ST・SA・NW・SM) | 10/6 10時〜10/24 17時 | 10/17〜10/27 | 11/11〜11/23 |
| 情報処理安全確保支援士(SC) | 10/6 10時〜10/24 17時 | 10/17〜10/27 | 11/11〜11/23 |
後期はすべて年明けです。応用情報の申込は2027年1月27日〜2月16日、科目Aが2月6日〜2月19日、科目Bが3月3日〜3月15日。高度試験(PM・DB・ES・AU)と支援士は申込が1月27日〜2月27日、科目A群が2月20日〜3月2日、科目B群が3月16日〜3月28日です。
受験手数料は7,500円です。情報処理技術者試験は10%の消費税込み、支援士試験は非課税として扱われます。申込はインターネット受付のみで、令和8年度前期は受験申込後のキャンセル・返金ができません。受験日を確定させてから申し込んでください。
最大の変更は「科目Aの点数を知ってから科目Bに行ける」
別日実施そのものより、受験者への影響が大きいのはこちらです。IPAは科目A群について「試験終了後、試験端末に表示されるほか、マイページでも確認することができます」と明記しています。一方、科目B群の得点・評価ランクは「試験端末には表示されません」。
つまり、科目A群を受け終えた時点で自分の得点が分かります。基準点は各科目とも100点満点中60点。そして多段階選抜方式が続くため、科目A群が基準点に届かなければ科目B群は採点されません。判定の単位は区分で違います。応用情報は科目A、高度試験と支援士は科目A-1・科目A-2が対象です。
ここから逆算すると、令和8年度の受験は実質的に2ステージ制になります。
- 科目A群で基準点を超えていた場合:科目B群までの14〜39日を、記述式・論述式の演習に全振りできる
- 科目A群で基準点に届かなかった場合:科目B群は採点されない。合格要件を満たさないことが科目A群の受験直後に分かるため、次の期に向けた切り替えをその時点で検討できる
高度試験にはもう一段の絞り込みがあります。科目B-1が基準点未満なら、科目B-2は採点されません。
なお、科目A群が基準点未満だった場合に科目B群を受験できるのか、予約がどう扱われるのかは、IPAおよび受験者ポータルの現時点の公表内容には明記されていません。
誰に影響する?——前期・後期で受けられる区分が違う
高度試験は区分ごとに実施期が固定されます。狙っている区分が後期なら、10月6日の申込開始は自分には関係ありません。
| 実施期 | 実施される試験区分 |
|---|---|
| 前期・後期の両方 | 応用情報技術者(AP)/情報処理安全確保支援士(SC) |
| 前期のみ | ITストラテジスト(ST)/システムアーキテクト(SA)/ネットワークスペシャリスト(NW)/ITサービスマネージャ(SM) |
| 後期のみ | プロジェクトマネージャ(PM)/データベーススペシャリスト(DB)/エンベデッドシステムスペシャリスト(ES)/システム監査技術者(AU) |
ITパスポート・情報セキュリティマネジメント・基本情報技術者は従来どおり随時実施です。この3区分に今回の変更はありません。
身体の不自由等でCBT方式では受験できない人向けには、筆記による特別措置試験の実施が予定されています。試験要綱は「前期と後期それぞれの実施期間の中でペーパー方式によって受験できる」と定めています。前期分の日程と申込条件は令和8年度前期の特別措置試験の実施要領で詳しく整理しています。
変わらないもの——出題形式・出題数・試験時間はそのまま
ここは安心してよい部分です。IPAは「各試験区分で問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。また、出題形式(多肢選択式・記述式・論述式)、出題数及び試験時間も同様に変更はありません」と明言しています。変わったのは実施方法と呼び名です。
2026年7月6日公開の試験要綱 Ver.5.6(2026年10月の試験から適用)で確定した中身を、区分別に並べます。
| 区分 | 科目 | 時間 | 出題形式・出題数/解答数 | 配点 |
|---|---|---|---|---|
| 応用情報 | 科目A(旧・午前) | 150分 | 多肢選択式 80問/80問 | 各1.25点 |
| 応用情報 | 科目B(旧・午後) | 150分 | 記述式 11問/5問 | 各20点 |
| 高度試験 | 科目A-1(旧・午前Ⅰ) | 50分 | 多肢選択式 30問/30問(共通問題) | 各3.4点(上限100点) |
| 高度試験 | 科目A-2(旧・午前Ⅱ) | 40分 | 多肢選択式 25問/25問 | 各4点 |
| 高度試験(ES以外) | 科目B-1(旧・午後Ⅰ) | 90分 | 記述式 3問/2問 | 各50点 |
| 高度試験(ES) | 科目B-1(旧・午後Ⅰ) | 90分 | 記述式 2問/1問 | 100点 |
| 高度試験(ST・SA・PM・SM・AU) | 科目B-2(旧・午後Ⅱ) | 120分 | 論述式 2問/1問 | 評価ランク |
| 高度試験(NW・DB) | 科目B-2(旧・午後Ⅱ) | 120分 | 記述式 2問/1問 | 100点 |
| 高度試験(ES) | 科目B-2(旧・午後Ⅱ) | 120分 | 論述式 3問/1問 | 評価ランク |
| 支援士 | 科目A-1(旧・午前Ⅰ) | 50分 | 多肢選択式 30問/30問(共通問題) | 各3.4点(上限100点) |
| 支援士 | 科目A-2(旧・午前Ⅱ) | 40分 | 多肢選択式 25問/25問 | 各4点 |
| 支援士 | 科目B(旧・午後) | 150分 | 記述式 4問/2問 | 各50点 |
基準点はいずれも100点満点中60点。論述式の科目B-2だけは評価ランクA〜Dで判定され、合格水準にあたるランクAのみが合格です。ネットワークスペシャリストとデータベーススペシャリストの科目B-2は論述式ではなく記述式なので、ここは従来の午後Ⅱと同じ感覚で構いません。科目A-1終了後に科目A-2を始めるまで、および科目B-1終了後に科目B-2を始めるまでは、最長10分の休憩を取れます。
免除制度も残ります。応用情報に合格する、いずれかの高度試験・支援士試験に合格する、高度試験・支援士試験の科目A-1(令和7年度試験までは午前Ⅰ試験)で基準点以上を取る——このいずれかを満たすと、科目A-1はその後2年間免除されます。
今どう動くべきか——申込前に決めておく3つのこと
申込画面を開く前に、次の3点を決めておいてください。決めずに開くと、希望する日時や会場を選べないまま申し込むことになります。
- 科目A群と科目B群の受験日を、同時に決める。 申込時には科目A群と科目B群を同時に予約する必要があります。片方だけ先に押さえることはできません
- 科目A-1の免除を使うかどうかを確定させる。 令和8年度前期では、試験区分・免除科目の変更は2026年10月24日17時まで、かつ当該試験日の3日前までに限られます
- 科目A群と科目B群の間隔を、自分の学習計画に合わせて選ぶ。 応用情報の前期なら、科目Aを10月28日、科目Bを12月6日にすれば39日空きます。逆に科目Aを11月10日、科目Bを11月24日にすれば14日です
3つ目は今回はじめて受験者側が握った変数です。科目A群を早めに終わらせて得点を確認し、通っていたら残りを記述式の演習に充てる——という組み方ができます。試験日時・会場の変更は各科目群の試験日の3日前まで受け付けられますが、キャンセルと返金はできません。
科目A群と科目B群のあいだの2週間から5週間強を、どう使うか。ここが学習計画の分かれ目です。必要なのは新しい参考書ではなく、間違えた問題を潰し切ることです。SkillStackでは分野別の正答率が出るので、科目A群の得点を見たあとに「どの分野から手を付けるか」を数字で決められます。
その先の話もしておくと、IPAは2027年度からの試験制度見直しを検討中と公表しています。応用情報技術者試験と高度試験をプロフェッショナルデジタルスキル試験(仮称)へ再編する案が示されており、開始時期は2027年度夏頃から秋頃の予定です。検討状況は2027年度の情報処理技術者試験 刷新の全体像に整理しています。
よくある質問
合格発表はいつですか
IPAは前期試験の合格発表を2027年2月頃、後期試験の合格発表を2027年6月頃と予定しています。科目B群のマイページ上での成績照会は、前期が2027年1月頃、後期が2027年5月頃の開始予定です。詳細は後日ウェブページで案内されるとされています。
科目Aと科目Bを同じ日に受けることはできますか
できません。試験要綱 Ver.5.6は、応用情報技術者試験について「別日に科目Aと科目Bを実施する」、高度試験・支援士試験について「別日に科目A群と科目B群を実施する」と定めています。科目A群と科目B群の実施期間そのものが重ならないよう設定されています。
受験料はいくらですか
7,500円です。情報処理技術者試験は10%の消費税込み、情報処理安全確保支援士試験は非課税として扱われます。支払いはクレジットカード、コンビニ/銀行ATM(Pay-easy)、バウチャーから選べます。
出題される内容は難しくなりますか
IPAは知識・技能の範囲、出題形式、出題数、試験時間のいずれにも変更はないとしています。応用情報の科目Aが80問・150分、科目Bが11問中5問解答・150分という構成は令和7年度までと同じです。変わるのは実施方法と科目の呼び名です。
令和7年度までに午前Ⅰを通過した実績は使えますか
使えます。試験要綱は免除条件を「高度試験又は支援士試験の科目A-1試験(令和7年度試験までは午前Ⅰ試験)で基準点以上の成績を得る」と規定し、その後2年間の免除を認めています。名称が変わっても免除の扱いは引き継がれます。
まとめ
令和8年度の応用情報・高度試験・支援士試験は、CBT化そのものより「科目A群と科目B群が別日になり、A群の得点をその場で知れるようになった」ことのほうが効きます。1日で燃え尽きる試験ではなくなり、14〜39日空く中間期間をどう設計するかが新しい勝負どころになりました。まずは10月6日の申込までに、受ける期・免除の有無・2つの受験日を紙に書き出すところから始めてください。中間期間に弱点分野だけを繰り返し解き直す使い方なら、SkillStackの間違えた問題の自動復習が手元でそのまま回せます。
参考サイト
- IPA|令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について(2026年7月6日掲載・2026年8月26日更新/取得日: 2026年9月6日)
- IPA|令和8年度(2026年度)応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施予定について(2026年2月24日掲載・2026年7月6日更新/取得日: 2026年9月6日)
- IPA|試験要綱・シラバスについて(試験要綱 Ver.5.6・2026年7月6日公開)(取得日: 2026年9月6日)
- CBT-Solutions|【CBT】令和8年度 前期試験 応用情報技術者試験及び高度試験(SC含む)(取得日: 2026年9月6日)
- IPA|情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の見直しに関する検討状況について(2026年3月31日公表/取得日: 2026年9月6日)
