「CBTで受験できない人は、令和8年度どうなるのか」——その手続きの全容が、8月19日に出そろいました。IPAが令和8年度前期試験の案内書(特別措置試験)を掲載し、7月に公表されていた日程に、申請書類や手続きの順序といった実務の中身が加わった形です。試験日は2026年11月14日(土曜日)。ペーパー方式で、ITパスポートから高度試験まで全区分が同じ1日に実施されます。
日程は先に押さえてください。応用情報・高度・支援士のCBT方式は申込開始が10月6日ですが、特別措置試験の受験申込は9月1日から。しかもその前に、特別措置そのものの申請を済ませておく必要があり、応用情報・高度・支援士では受付が8月26日に始まります。CBT組と同じ感覚で10月にサイトを開くと、すでに閉まっています。
以下では、あなたが「いつ・何を・どの順番で」出せばいいかを、区分別のカレンダーとして整理します。点字受験だけ締切が1週間早いこと、ITパスポートだけ締切と提出方法が違うこと、診断書の日付に条件があること——申請でつまずきやすい箇所も先に潰しておきます。
令和8年度前期の特別措置試験は11月14日——全区分が同じ1日に集約
試験日は2026年11月14日(土曜日)の1日だけです。ITパスポート試験(IP)、情報セキュリティマネジメント試験(SG)、基本情報技術者試験(FE)、応用情報技術者試験(AP)、高度試験、情報処理安全確保支援士試験(SC)が、この日に一斉に行われます。前期の高度試験はITストラテジスト(ST)、システムアーキテクト(SA)、ネットワークスペシャリスト(NW)、ITサービスマネージャ(SM)の4区分です。
そもそも特別措置試験とは何か。IPAの案内書は「身体の不自由等によりCBT方式で受験できない方に実施するペーパー方式(筆記)による試験」と定義しています。令和8年度からAP・高度・SCがCBT方式へ移行したため、紙と鉛筆で受ける道は事実上この試験だけになりました。通年で実施されるIP・SG・FEについても、同じ枠組みが用意されています。
後期は日程の組み方が変わります。前期が1日に集約されているのに対し、後期は区分によって週が分かれる予定です。
| 実施回 | 対象区分 | 試験日 |
|---|---|---|
| 令和8年度 前期 | IP・SG・FE・AP・高度(ST/SA/NW/SM)・SC | 2026年11月14日(土) |
| 令和8年度 後期 | IP・SG・FE | 2027年3月20日(土) |
| 令和8年度 後期 | AP・高度(PM/DB/ES/AU)・SC | 2027年3月27日(土) |
前期と後期で高度試験の区分が入れ替わる点に注意してください。前期のST・SA・NW・SMは、後期の対象に含まれていません。
合格発表の時期も区分で分かれます。IP・SG・FEは2026年12月中旬から下旬頃、AP・高度・SCは2027年2月頃の予定です。試験から結果まで3か月近く空く区分があることは、次の受験計画を組むうえで頭に入れておきたいところ。
ここで多くの人が止まります。日程は分かった、では申込はいつなのか。制度が変わった年は「例年どおり」が通用せず、公式ページを何度も往復するはめになりがちです。手続きの調べものに時間を取られ、肝心の問題演習が後回しになる——これが移行年に起きやすい失点の形です。
申込はCBT方式より1か月早い——受付は9月1日から
受験申込の受付は2026年9月1日(火曜日)に始まります。締切は区分で2通りに分かれ、AP・高度・SC・SG・FEが9月18日(金曜日)、ITパスポート試験だけが9月11日(金曜日)です。いずれもインターネット申込みです。
同じ令和8年度前期でも、CBT方式のAP・高度・SCは申込開始が10月6日ですから、特別措置試験のほうが1か月以上早く締め切られる計算になります。
| 特別措置試験(ペーパー方式) | CBT方式(AP) | CBT方式(高度・SC) | |
|---|---|---|---|
| 申込受付 | 2026/9/1〜9/18(IPは9/11まで) | 2026/10/6〜11/7 | 2026/10/6〜10/24 |
| 試験 | 2026/11/14(1日) | 科目A 10/28〜11/10 / 科目B 11/24〜12/6 | 科目A-1/A-2 10/17〜10/27 / 科目B 11/11〜11/23 |
受験手数料は7,500円。情報処理技術者試験は消費税込み、情報処理安全確保支援士試験は非課税という扱いです。金額そのものはCBT方式と変わりません。
注意したい制約が1つあります。IPAは「応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験におけるCBT方式と当該試験における特別措置試験を同時に申込むことはできません」と明記しています。保険としての両睨みはできないということ。どちらで受けるかを9月中旬までに決め切る必要があります。
基本情報技術者試験の科目A免除も使えます。対象は令和7年6月、令和7年7月、令和7年12月、令和8年1月、令和8年6月、令和8年7月の修了認定者です。該当するなら申込時に忘れず申請してください。
特別措置申請は8月26日開始——点字受験は9月4日が最初の締切
AP・高度・SC・SG・FEでは、受験申込の前に特別措置の申請が要ります。手続きが2段構えになっているのが今回の肝で、IPAは「特別措置を認められた方は、申込受付期間内に受験申込みを行ってください」としています。申請が通ってから申込、という順番です。
申請の受付期間は、試験区分と希望する措置によって分かれます。
| 対象 | 特別措置申請の受付期間 |
|---|---|
| AP・NW(点字受験を希望) | 2026/8/26〜9/4 |
| AP・高度・SC(点字以外の措置) | 2026/8/26〜9/11 |
| SG・FE | 2026/9/1〜9/11 |
| IP | 事前申請なし(申込受付期間内に特別措置による受験申込み) |
AP・NWの点字受験だけ、締切が1週間早い9月4日です。点字受験の対象区分は限られていて、IPAは「試験区分はIP・SG・FE・AP・NWが対象」と明記しています。SC・ST・SA・SMでは点字受験を選べません。AP・NWで点字を希望する人にとっては、8月26日から9月4日までの10日間が実質的な受付期間になります。
ITパスポート試験だけは手続きの形が違います。事前の特別措置申請は設けられておらず、9月1日から9月11日までの申込受付期間内に特別措置による受験申込みを行い、そのあと「提出期間内に審査書類(身体障害者手帳のコピーや医師の診断書)を簡易書留郵便で提出」する流れです。オンラインで完結しない分、郵送に要する日数を見込んでおく必要があります。
書類の日付条件も見落としがちです。IPAは必要書類を「身体障害者手帳または医師の診断書(CBT方式での受験が困難な理由や希望する特別措置を必要とする理由がわかるものであり、2026年7月6日(月曜日)以降のもの)」と説明しています。手元にある古い診断書がそのまま使えるとは限りません。医療機関の予約から逆算すると、8月中に動き出さないと9月11日には間に合わない可能性があります。IP以外の区分では、この書類を画像データでオンライン提出します。
誰に影響し、いま何をすべきか——4つの分岐
影響を受けるのは、CBT方式での受験が難しい受験予定者です。逆にCBTで受けられる人は、この日程を追う必要はありません。自分がどこに立っているかで、次の行動は4つに分かれます。
| あなたの状況 | 次にやること | 期限 |
|---|---|---|
| AP・NWで点字受験を希望する | 診断書・手帳を用意し、申請を最優先で出す | 2026/9/4 |
| AP・高度・SCで拡大文字・時間延長などを希望する | 書類の日付(7/6以降)を確認して申請 | 2026/9/11 |
| SG・FEで特別措置を希望する | 9/1の申請開始と同時に手続きを始める | 2026/9/11 |
| IPで特別措置を希望する | 申込を済ませ、審査書類を簡易書留で郵送する | 申込は2026/9/11 |
IP以外は、申請が認められたら9月18日までに受験申込を完了させる流れが共通です。書類の準備・申請・申込という3つの締切を、1本のカレンダーに書き出しておくと取りこぼしが減ります。
もう1つ、制度そのものの先も見ておく価値があります。令和8年度のCBT移行は通過点で、AP・高度試験は2027年度に予定される情報処理技術者試験の再編によって姿を変える見通しです。SCを狙っている人は、情報処理安全確保支援士の登録制度と難易度もあわせて確認しておくと、どの年度で受けるかの判断がしやすくなります。
よくある質問
特別措置試験とCBT方式の両方に申し込めますか
AP・高度・SCについては同時に申し込めません。IPAが明確に禁止しています。どちらか一方を選ぶ必要があるため、特別措置の申請が認められる見込みを踏まえて9月中旬までに方針を決めてください。
特別措置試験は通常の試験と別物ですか
試験区分そのものは同じで、受験方法をペーパー方式に置き換えるための措置と位置づけられています。出題内容や試験時間の詳細は令和8年度前期試験の案内書(特別措置試験)に記載されているため、申請前に該当区分のページを確認してください。
手元の診断書をそのまま使えますか
IPAは審査書類を「2026年7月6日(月曜日)以降のもの」と条件づけています。CBT方式での受験が困難な理由と、必要な措置の内容が読み取れる内容であることも求められます。医療機関での再取得が必要になる場合を想定して、早めに確認してください。
今回申し込めなかった場合、次はいつですか
区分によって答えが変わります。IP・SG・FEは2027年3月20日、AP・SCと後期の高度試験(PM・DB・ES・AU)は2027年3月27日が次の特別措置試験です。前期対象のST・SA・NW・SMは令和8年度後期の対象に入っていないため、次の機会は別途IPAの発表を待つことになります。
まとめ
押さえる日付は区分ごとに4つです。AP・高度・SCは8月26日に申請が始まり、点字(AP・NW)は9月4日、その他の措置は9月11日で申請が締まり、受験申込は9月18日まで。ITパスポートは申込自体が9月11日で終わり、書類は郵送。試験は全区分そろって11月14日です。書類の日付条件がある以上、実際の作業は今週から始めるのが安全です。申請を出してから結果を待つ数日は勉強が止まりがちですが、SkillStackなら通勤中に1問ずつ進められるので、手続き待ちの時間を科目Aの取りこぼし埋めに変えられます。制度が動く年ほど、情報を集める時間と机に向かう時間の配分が結果を分けます。
