Google Cloud PMLE(Professional Machine Learning Engineer)は、2026年8月24日以降の日本語試験から出題範囲が変わります。新しい試験ガイドはすでに公開されており、「AIソリューションのモニタリング」が独立したセクションとして新設されます。配点は約13%です。
変わるのは範囲だけではありません。試験ガイドに並ぶ製品名も、Vertex AIからGemini Enterprise Agent Platformの表記へ書き換わっています。受験日が8月24日をまたぐかどうかで、読むべき試験ガイドが変わる状況です。
新版6セクションの配点、旧版との差分、そして公式が明記している「コーディングスキルは直接評価しない」という注記まで押さえれば、いつ受けるか、どの教材を選ぶかを自分で判断できます。
Google Cloud PMLEとは|AIソリューションを構築・運用する認定
PMLEは、Google Cloudの機能とMLのアプローチを使って、AIソリューションを構築・評価・運用化・最適化する能力を証明するProfessionalレベルの認定です。新しい試験ガイドの人物像では、従来のAIモデルと生成AIモデルの両方について、トレーニングからデプロイ、モニタリング、改善までを担う役割とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Professional Machine Learning Engineer |
| レベル | Professional |
| 試験時間 | 2時間 |
| 受験料 | $200(税別) |
| 試験形式 | 50〜60問の多肢選択(複数選択)式 |
| 言語 | 英語・日本語 |
| 有効期限 | 2年 |
| 推奨される経験 | 業界経験3年以上(うちGoogle Cloudでの設計・管理1年以上) |
| 必須条件 | なし |
受験を検討する人が最も気にするのは、コードを書けないと厳しいのかという点でしょう。新しい試験ガイドには、この試験はコーディングのスキルを直接評価するものではない、と注記があります。PythonとSQLの基礎知識があれば、コードスニペットを含む設問も読み解けるという説明です。
ただし、これは「MLの知識がなくても受かる」という意味ではありません。人物像には、モデルアーキテクチャ、データとMLのパイプライン作成、MLOps、指標の解釈に精通していることが挙げられています。書く力より、読んで判断する力が問われる試験です。
そして、その判断の前提となる範囲が、いま切り替わろうとしています。
出題範囲は6セクション|2026年8月24日から改定される
2026年8月24日以降に日本語で受験する場合、参照すべきは新しい試験ガイドです。6セクション構成で、配点は次のとおりです。
| セクション | 配点 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 3. プロトタイプのMLモデルへのスケーリング | 約21% | モデルタイプの選択(ARIMA・DNN・LLM)、トレーニング、ハイパーパラメータチューニング、CPU・GPU・TPUの選択、分散トレーニング |
| 4. モデルのサービングとスケーリング | 約20% | バッチ推論とオンライン推論、コンテナでのパッケージ化、Model Registryでのバージョン管理、A/Bテストとカナリアデプロイ、Feature Store |
| 5. MLパイプラインの自動化とオーケストレーション | 約18% | エンドツーエンドのパイプライン、Managed Service for Apache Airflow、再トレーニングポリシー、CI/CD/CT |
| 2. チーム内およびチーム間の連携によるデータとモデルの管理 | 約16% | データの探索と前処理、ノートブックでのプロトタイピング、テストのトラッキング、LLM-as-a-Judgeなどの評価 |
| 1. ローコードAIソリューションの構築 | 約13% | BigQuery MLとAutoML、Model Gardenからのモデル選択、業界固有のAPI、Geminiベースのアプリの最適化 |
| 6. AIソリューションのモニタリング(新設) | 約13% | Model Armorなどによる安全なAIシステム、責任あるAI、モデルの説明可能性、ドリフトの監視、生成AIソリューションのモニタリング |
※上の表は配点の大きい順に並べ替えています。番号は試験ガイドのセクション番号です。
最大の変更は、セクション6「AIソリューションのモニタリング」が独立したセクションとして新設される点です。約13%が割り当てられ、悪意のあるプロンプトやセンシティブデータの漏洩を防ぐ設計、責任あるAIへの準拠、トレーニングサービングスキューやデータドリフトの監視といった、生成AI時代の運用課題が並びます。
旧版と比べると、配点も動いています。
| セクション | 2026年8月23日まで | 2026年8月24日以降 |
|---|---|---|
| 1. ローコードAIソリューションの構築 | 13% | 約13% |
| 2. データとモデルの管理 | 14%以下 | 約16% |
| 3. プロトタイプのMLモデルへのスケーリング | 18% | 約21% |
| 4. モデルのサービングとスケーリング | 20% | 約20% |
| 5. MLパイプラインの自動化とオーケストレーション | 22% | 約18% |
| 6. AIソリューションのモニタリング | — | 約13%(新設) |
パイプラインの自動化が22%から約18%へ下がり、モデルのスケーリングが18%から約21%へ上がりました。旧版でセクション5に含まれていたメタデータのトラッキングは、新版ではセクション2の「モデルのアーティファクト、バージョン、リネージの追跡」に移っています。
Vertex AIの名称が変わった|教材選びで最初に確認すること
新しい試験ガイドで、もう一つ大きく変わったのが製品名です。これまでVertex AIとして説明されてきた機能群が、Gemini Enterprise Agent Platform配下の名称で記載されています。
| これまでの表記 | 新しい試験ガイドの表記 |
|---|---|
| Vertex AI Workbench | Agent Platform Workbench |
| Vertex AI Feature Store | Agent Platform Feature Store |
| Vertex AI Pipelines | Agent Platform Pipelines |
| Vertex AI Experiments | Agent Platform Experiments |
| Vertex AI Prediction | Agent Platform Inference |
| Vertex AI Model Registry | Gemini Enterprise Agent Platform Model Registry |
変わったのは試験ガイド上の表記です。市販の教材や解説記事は当面Vertex AIの表記のままなので、学習中は対応する用語として読み替えることになります。教材を選ぶときは、この対応関係を把握したうえで、内容が現行の範囲をカバーしているかを確認してください。
ちなみに旧版にあったTensorFlow Extended(TFX)やHorovod、Jenkins、MLflowといった固有名は、新版では見当たりません。代わりにModel Armor、LLM-as-a-Judge、Ray on Gemini Enterprise Agent Platformなどが加わっています。生成AIの運用を前提とした範囲へ寄せられた形です。
難易度をどう見るか|合格率も合格点も非公表
Google Cloudは合格率も合格点も公表していません。結果は合否のみで通知されるため、「何%で受かる」という基準は受験者側から検証できません。代わりに、公表されている条件から難易度を推し量ることになります。
材料は3つあります。1つ目は推奨される経験で、業界3年以上(うちGoogle Cloudでの設計・管理1年以上)。Professionalレベルの中でも実務前提が明確な部類です。2つ目は範囲の広さで、ローコードのAutoMLから分散トレーニング、サービング、パイプライン、モニタリングまで6分野に及びます。
3つ目が、先に触れたコーディングの注記です。書く力は直接評価されない一方、モデルアーキテクチャやMLOps、指標の解釈は前提とされています。つまり「実装できるか」ではなく「設計と運用の判断ができるか」で難易度が決まる試験です。ML未経験からいきなり狙うより、実務での運用経験を積んでからのほうが届きやすくなります。
いつ受けるべきか|8月24日をまたぐ場合の考え方
判断の分かれ目は、学習の進み具合です。
- すでに旧版で学習が進んでいる場合:8月23日までに受験できるなら、旧版のまま受け切るほうが手戻りがありません
- これから学習を始める場合:新版の試験ガイドで進めてください。8月24日以降の受験になるうえ、モニタリング分野を後から足すより最初から組み込むほうが効率的です
- 迷っている場合:新版を基準にするのが無難です。重なる範囲が大半で、主な変更はモニタリング分野の独立、配点の調整、表記の変更です
なお試験本体の条件($200・2時間・50〜60問・有効期限2年)は改定後も変わりません。更新方法や他資格との位置づけはGoogle Cloud認定資格の一覧、学習の進め方はGoogle Cloud PMLEの勉強法で整理しています。
よくある質問
コードが書けなくても合格できますか?
新しい試験ガイドには、この試験はコーディングのスキルを直接評価するものではないと明記されています。PythonとSQLの基礎知識があれば、コードスニペットを含む設問も読み解けるという説明です。ただしモデルアーキテクチャやMLOps、指標の解釈への理解は前提とされています。
PDEとどちらを取るべきですか?
担当領域で分かれます。データ基盤の設計・運用が主ならProfessional Data Engineer、モデルの構築・デプロイ・運用が主ならPMLEです。どちらも$200(税別)・2時間・有効期限2年で、推奨経験も同じ水準です。データ側の詳細はGoogle Cloud PDEの難易度と出題範囲で扱っています。
日本語で受験できますか?
できます。PMLEは英語と日本語で提供されています。試験ガイドにも日本語版があり、8月24日以降の新バージョンも日本語で公開されています。
まとめ
PMLEは、2026年8月24日を境に出題範囲が切り替わります。新設されるのは「AIソリューションのモニタリング」で、配点は約13%。ドリフトの監視や責任あるAI、Model Armorによる保護といった、生成AIを運用する側の論点が独立した分野になりました。
あわせて、Vertex AI系の名称がGemini Enterprise Agent Platform配下の表記へ変わっています。市販教材との読み替えが必要になるため、学習を始める前に対応関係を押さえておくと混乱が減ります。SkillStackにはProfessional Machine Learning Engineerの問題を250問収録しているので、問題集①を無料で解いて、いまの理解度を測ってから教材を決めるのも一つの手です。
参考サイト
- Google Cloud — Professional Machine Learning Engineer 認定資格(試験詳細・学習リソース)(取得日: 2026年8月12日)
- Google Cloud — PMLE 認定試験ガイド(2026年8月24日以降の新バージョン・PDF)(取得日: 2026年8月12日)
- Google Cloud — PMLE 認定試験ガイド(現行バージョン・PDF)(取得日: 2026年8月12日)
- Google Cloud — Professional Data Engineer 認定資格(比較用)(取得日: 2026年8月12日)
- Google Cloud 認定資格ヘルプ — 認定資格の更新(取得日: 2026年8月12日)

