Python実践試験は、2026年12月1日から主教材が変わります。『Python実践レシピ』で年末の受験に備えているなら、受ける日によって前提が変わるということです。一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会は9月27日、Python 3 エンジニア認定実践試験の主教材を12月1日に改訂新版へ切り替えると告知しました。同じ日から、試験問題も新しい主教材に合わせた出題になります。
協会代表理事は9月28日付のコラムで、これを「マイナーチェンジ」と表現しています。告知は試験時間や問題数の変更には触れていません。それでも、主教材が替われば出題の土台が替わります。手元の本が旧版なら、11月中に受けるか、新版で準備し直すかを決める必要があります。
以下では、新旧2版の目次を突き合わせて「どの章で何が増え、何が消えたか」を一覧にし、現行試験の章別出題数と並べました。受験を11月にするか12月以降にするかを決める材料として使ってください。
いつから変わるのか|旧教材での受験は11月30日まで
切り替えは2026年12月1日です。協会は9月27日の告知で、同日から主教材が改訂新版に変わり、試験問題も新しい主教材に合わせた出題になると説明しています。代表理事の9月28日付コラムでは、旧主教材での受験を希望する人は2026年11月末までに受験するよう案内しています。
| 受験日 | 主教材 | 出題 |
|---|---|---|
| 2026年11月30日まで | 『Python実践レシピ』(初版、2022年) | 初版に基づく現行の出題範囲 |
| 2026年12月1日から | 『改訂新版 Python実践レシピ』(2026年3月16日発売) | 改訂新版に合わせた出題 |
今回の告知では、試験時間・問題数・受験料などの変更は案内されていません。10月4日時点の公式の試験概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 75分 |
| 問題数 | 40問(すべて選択問題) |
| 合格ライン | 正答率70% |
| 受験料 | 12,000円(税別)/学割6,000円(税別) |
| 実施方式 | 全国のオデッセイコミュニケーションズCBTテストセンターで通年実施 |
通年のCBTなので、受験日は自分で選べます。だからこそ迷うのが、「新版で何が増えたのか」が分からないまま日程を決めなければならない点です。
改訂新版で増えた節と現行の出題比率
改訂新版はPython 3.14に対応し、章の数は初版と同じ19章です。技術評論社の書籍ページにある目次を初版と見比べると、節が加わった・入れ替わった・なくなった章は9つありました。その章が現行試験で何問出ているかを、協会の出題範囲表と並べます。
| 章 | 改訂新版で増えた・替わった節 | 現行試験の出題数 |
|---|---|---|
| 1章 Pythonの環境 | パッケージマネージャー uv を追加 | 1問(2.5%) |
| 2章 コーディング規約 | 初版のFlake8・Blackの節が、静的コード解析ツール Ruff の節に | 2問(5.0%) |
| 3章 Pythonの言語仕様 | 構造的パターンマッチを追加 | 7問(17.5%) |
| 5章 型ヒント | 「一歩進んだ型ヒントの活用」を追加 | 2問(5.0%) |
| 6章 テキストの処理 | テンプレート文字列リテラル t-string を追加 | 4問(10.0%) |
| 10章 汎用OS・ランタイムサービス | コマンドラインツール click を追加 | 2問(5.0%) |
| 13章 特定のデータフォーマットを扱う | 初版のconfigparserの位置に、TOMLを扱う tomllib | 2問(5.0%) |
| 14章 インターネット上のデータを扱う | 非同期対応HTTPクライアント HTTPX を追加。初版のemailの節は目次から消えた | 2問(5.0%) |
| 16章 テスト | 初版のpydocの節が目次から消えた | 3問(7.5%) |
表の右列は現行(初版ベース)の出題数で、12月以降の配分ではありません。改訂新版に対応した出題範囲表は、10月4日時点で協会の試験ページに掲載されていません。
出題の多い章に、Pythonの標準機能が加わった
目を引くのは3章と6章です。現行で7問の3章に構造的パターンマッチ(match文)が、4問の6章にt-stringが入りました。どちらもサードパーティ製パッケージではなく、Python本体の言語機能です。5章の型ヒントの応用、13章のtomllib(標準ライブラリ)も同じく本体側の追加です。
サードパーティ製パッケージの扱いは未発表
一方、uv・Ruff・click・HTTPXはサードパーティ製のツールです。現行の出題範囲表は「主教材からほとんどのサードパーティ製パッケージを除いています」と注記しており、実際にRequests・pytest・PyYAML・openpyxl・Pillow・mypyなどを出題対象から外しています。新しい範囲でこれらの新ツールがどう扱われるかは、現時点で公式に発表されていません。
誰に影響するのか|受験予定者と合格済みの人
影響を受けるのは、12月1日以降に受験する人です。11月30日までに受験する人は、これまでどおり初版を主教材とした出題で受けられます。
すでに合格している人について、今回の告知は何も変更を述べていません。協会の告知に、既存の合格者に再受験や更新を求める記述はありません。
手元の教材が初版かどうかも確認してください。改訂新版は2026年3月16日発売で、書名に「改訂新版」と付きます。2022年発売の初版とは表紙の書名で見分けられます。代表理事はコラムで理由を「Pandasなどのバージョンアップ」と説明しており、ライブラリの版が進んだことに合わせた改訂です。
今どう動くべきか|受験時期の判断表
決め手は「いつ受けられるか」と「手元の教材がどちらか」の2つです。
| あなたの状況 | おすすめの受験時期 | 理由 |
|---|---|---|
| 初版を読み終え、問題演習も進んでいる | 11月30日までに受験 | 準備した内容と出題の土台が一致する最後の期間 |
| 初版を持っているが、まだ読み始めたばかり | 12月以降に新版で受験 | 2か月で仕上げるより、新版で追加分を含めて準備したほうが手戻りが少ない |
| これから教材を買う | 12月以降に新版で受験 | 11月までに受けないなら、初版を買う理由がない |
| 初版で準備したが、11月中に会場の空きがない | 12月以降 | 新版の追加節を読み足し、新しい出題範囲表が出たら配分を確認する |
11月に受けるなら、まず受験したい会場の空き日程を確認し、11月30日までの日を押さえてください。申込はオデッセイコミュニケーションズのサイトから行います。
12月以降に受けるなら、新版の追加節から読み始めるのが手早い方法です。3章と6章は現行の配分で合わせて11問(27.5%)ですが、改訂後の章別配分は未発表です。新しい出題範囲表が公開されたら、配分を確かめて読む順番を組み直してください。
認定証の受け取り方は2026年9月から変わっています。詳しくはPython試験の紙の認定証廃止とオープンバッジで解説しています。
よくある質問
12月1日以降に初版の『Python実践レシピ』で合格できますか?
12月1日からは改訂新版に合わせた出題になるため、初版だけでは追加された節の内容をカバーできません。構造的パターンマッチやt-stringなどは新版にしか載っておらず、改訂新版は全体がPython 3.14対応に更新されています。合否は断定できませんが、12月以降は新版全体と、公開後の出題範囲を確認してから受けてください。
試験時間や問題数、受験料は変わりますか?
今回の告知では、試験時間75分・40問・合格ライン70%・受験料12,000円(税別)の変更には触れられていません。協会が示しているのは主教材と、それに合わせた出題の変更です。
新しい出題範囲表はいつ公開されますか?
10月4日時点で、改訂新版に対応した出題範囲表の公開日は案内されていません。現行の試験ページには初版ベースの章別出題数が掲載されています。12月以降に受験する人は、公開されたら章別の出題数を確認してください。
Python 3 エンジニア認定基礎試験も変わりますか?
今回告知されたのは実践試験の主教材変更です。基礎試験の主教材や出題の変更は、この告知には含まれていません。
まとめ
初版で準備を重ねてきた人にとって、11月は「積み上げを無駄にしない」最後の月です。逆に、これから始める人は迷わず改訂新版を手に取り、3章と6章の追加節から読み進めてください。どちらの道でも、40問を75分で解く感覚は本を読むだけでは身につきません。通勤の10分でも選択問題に触れる時間をつくり、SkillStackのようにスマホで1問ずつ解ける形にしておくと、本番までの演習量を積み上げやすくなります。
